Title そのオフィス、御社の『実力』を過小評価させていませんか? 今すぐできる『小規模』なオフィス・ブランディング

Date 2026.01.30
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自社のオフィスを「従業員が作業をする場所」とだけ捉えていませんか? もしそうなら、それは非常にもったいない機会損失かもしれません。

リモートワークが普及し、どこでも仕事ができるようになった今だからこそ、物理的な空間としてのオフィスの価値が再定義されています。

オフィスは企業のブランド・アイデンティティを体現し、お客様や求職者、そして働く仲間にメッセージを届ける、最も強力な「メディア」なのです。

今回は、大規模な移転でなくても始められる、「オフィス・ブランディング」についてご紹介します。


なぜ今、「オフィス・ブランディング」なのか?

ブランディングとは、ステークホルダーにとって企業が「特別な存在」になるための努力であり、戦略的な印象操作です。

例えば、御社が「革新的でクリエイティブな企業」というブランド・アイデンティティを掲げていたとします。しかし、訪れたオフィスが薄暗く、書類が山積みで、社員が疲れた顔で作業をしていたらどうでしょうか? 相手が抱くブランド・イメージとの間に、致命的な「乖離(ギャップ)」が生まれてしまいます。

このギャップを埋め、企業が伝えたいメッセージを空間体験として提供すること。それがオフィス・ブランディングです。


大規模工事は不要。来客エリアに絞った「小規模」リノベーションの魔法

「オフィス・ブランディング」と聞くと、大掛かりな改装をイメージされるかもしれませんが、全てのエリアに手を入れる必要はありません。

まずは、お客様や求職者が足を運ぶ「エントランス」と「会議室」。この企業の「顔」となるエリアに投資を集中させるだけでも、対外的な印象は劇的に変わります。

家具と床で「空気感」を一変させる

例えば、会議室。殺風景な白いテーブルとパイプ椅子が並んでいるだけでは、事務的な作業場という印象しか与えません。

しかし、座り心地の良いチェアに変え、床材や壁紙(クロス)を見直す。これだけの変更でも、空間の印象は大きく改善し、招かれたお客様は安心感や信頼感を抱きます。

そのモニター、ただの「黒い板」になっていませんか?

会議室やエントランスにあるモニター。使っていない時は真っ黒な画面のまま放置されていませんか? 実はこここそが、最も手軽で効果的なブランディング・スペースです。

来社されたお客様の社名入りで「WELCOME」のメッセージを表示する、あるいは自社のビジョンや実績紹介を流しておく。たったそれだけで、待ち時間が有益な情報収集の時間に変わり、商談前のアイスブレイクとしても機能します。

私たちライオンハートでは、こうしたデジタルサイネージを誰もが簡単に運用できるアプリ『TVable(ティーバブル)』を自社開発し、提供しています。

「空間」だけでなく、そこに流れる「情報」もデザインする。これもまた、立派なオフィス・ブランディングです。

五感に訴える「香り」の演出

視覚だけでなく、「香り」も重要なブランディング要素です。

弊社の会議室は「誠実さ」を表すウッディな香り、別の会議室では「活気」を生む柑橘系の香りといった具合に、空間の役割に合わせて香りを変えていますが、無意識レベルで人の感情や行動に働きかけることができます。


「働き方」をデザインする:ABWと隠れたニーズへの応答

近年、オフィスのトレンドとして「ABW(Activity Based Working)」という言葉をよく耳にするようになりました。仕事の内容に合わせて、働く場所や時間を自由に選択できる働き方のことです。 「うちは固定席だから無理だ」「レイアウト変更にはコストがかかる」と思われるかもしれませんが、実は今あるデスクのままで、明日からでも始められる方法があります。

「家具」と「運用」で実現するフリーアドレス

フリーアドレス化を阻む最大の要因は、実はデスクの下にある「キャビネット(ワゴン)」です。個人の荷物が足元にあることで、そこは「自分の席(固定席)」になってしまいます。

逆転の発想で、このキャビネットを手放すことから始めてみてはいかがでしょうか?

代わりに、仕事道具やPCを収納する「個人ロッカー」を壁際に設置します。

これだけで、執務デスクは「個人の所有物」から「共有スペース」へと変わります。レイアウトを大きく変更しなくても、「まず始めてみよう」でスタートできるのです。

隣に座る人が毎日変わる。たったそれだけで、固定席時代には生まれなかった部署を超えたコミュニケーションや、新たなアイデアの種が生まれるようになります。

「逃げ場」と「選択肢」を作る家具の配置

従業員に向けた職場環境アンケートを見ていくと、常に不満の上位に挙がるのが「休憩・リフレッシュスペースの欠如」です。

実はこの不満、私たちライオンハートがお客様企業の従業員様からヒアリングを行った際にも、必ずと言っていいほど出てくる「生の声」なのです。

例えば、前述のような取り組みでフリーアドレスの土台ができたら、少しずつ「場所の選択肢」を増やすのもいいでしょう。

これも大掛かりな工事は不要で、家具の配置ひとつで実現可能です。

• 執務エリアに「ミーティングテーブル」を置く

会議室を予約するほどではない相談や、自席を離れて気分転換したい時の作業場として活用できます。これだけで「場所を選べる」という自由が生まれます。

• 「昇降デスク(スタンディングデスク)」エリアを設ける

立って仕事をすることで、眠気覚ましや腰痛対策になり、健康経営の視点からも有効です。窓際など景色の良い場所に設置すれば、最高のリフレッシュ席になります。

• 「集中ブース」を設置する

オフィスの不満に関するアンケートで常に上位に挙がる「集中できない」「電話の声が気になる」という不満に応えるため、誰にも邪魔されず作業に没頭できる「こもれる場所」を用意します。

人を集める「マグネットスペース」の魔力

「分散」だけでなく、「集合」の仕掛けも重要です。

パントリーやコピー機、ゴミ箱などをあえて一箇所に集約した「マグネットスペース」を設計します。人が自然と集まる場所を作ることで、部署を超えた偶発的なコミュニケーション(雑談)を誘発するのです。

「集中」と「交流」。このメリハリを空間によってデザインすることが、組織のポテンシャルを最大限に引き出します。

「集中」と「交流」。

このメリハリを、大掛かりな内装工事ではなく「家具」と「運用」でデザインする。それが、組織のポテンシャルを引き出す近道です。

【知っておきたい】「壁」を作るときの落とし穴

ここまで「家具」や「運用」での工夫をお伝えしてきましたが、本格的にゾーニングをしようとすると、「壁(間仕切り)を立てたい」と考える場面も出てくるかもしれません。 しかし、オフィス内に天井まで届く壁(フルハイトパーティションや造作壁)を作る場合、いくつか注意すべきハードルがあります。

• 工事区分とオーナー承認

壁を立てると、天井の設備(照明・空調・防災機器)に干渉するケースが多く、ビルの指定業者が行う「B工事」になる可能性が高まります。この場合、コストが割高になりがちです。また、管理会社やオーナーへの事前承認や、退去時の原状回復条件の確認も必須となります。

• 空調・換気への影響

壁によって空調のゾーンが分断されると、給気や還気が不足し、冷暖房が効きにくくなることがあります。これを防ぐために、壁に通気口(ガラリ)を設けたり、空調機の移設・増設が必要になるケースもあります。

• 防災・安全面への影響

スプリンクラーの散水障害や、避難経路への影響がないかなど、避難安全検証や消防法に基づいた検討も不可欠です。

このように、本格的な造作工事は大掛かりになり、コストや手間の負担も大きくなりがちです。

だからこそ、まずは前述したような家具やパーティションを活用した「小規模」な取り組みから始めてみるのも、賢いオフィス・ブランディングの第一歩と言えるでしょう。

空間だけでは完成しない。主役は「人」

どれほど洗練されたオフィスを作っても、そこで働く人が生き生きとしていなければ、良いブランドとは言えません。 オフィス・ブランディングにおいて、そこで働くスタッフの表情、挨拶、服装といった振る舞いそのものが、空間を構成する重要なコンテンツになります。

「このオフィスに見合うプロフェッショナルでありたい」 そう社員が誇りを持てる環境を整えることで、意識が変わり、行動が変わり、結果として企業文化が育まれていく。これこそがインナー・ブランディングの真髄です。


まずは「目的」の言語化から

オフィス・ブランディングは、単なる内装工事ではありません。「なぜやるのか?」「誰にどう思われたいのか?」という経営課題の解決手段です。

私たち株式会社ライオンハートは、ブランディングエージェンシーとして、お客様の「目的」「理想状態」「課題」を言語化するところから伴走します。

「なんとなく課題があるけれど、何から手をつけていいかわからない…」 そんな経営者様、ぜひ一度私たちにお話を聞かせてください。

御社のブランドを加速させる、最適な空間戦略をご提案します。