Title なぜ、「事業家気質」か?

Date 2026.02.13
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「事業家気質」なんて、突然ひらめくわけもなく。
採用と組織の現場で何度も壁にぶつかり、考え直し続けて、ようやく辿り着いた言葉です。
私たち自身が「こういう気質の人を求めていいんだ」と思える状態になったということでもあります。部活でも趣味でもなんでもいいのだけれど、「あの頃の自分なら無理だけど、今の自分ならいける気がする」などと思った経験がある人ならば、ニュアンスが伝わるかもしれません。

ぶっちゃけ、かつては「来てくれるだけでありがたい」時期もありました。
会社は生き物。変化は常態です。
ヒトや動物たちのように、この世に生まれ落ちてから、成長していくものです。
ライオンハートがまだ若かった頃の採用条件は、少し専門知識があって、素直であることくらいだったこともあります。その人たちを教え、育て、会社が成長するにつれて、即戦力の採用も可能になっていきました。
採用は、事業です。
事業である以上、成長とともに顧客が変わります。
採用における顧客は、求職者のみなさんです。

どんな会社でも、創業してから初めて関わる人事領域は採用と言っても過言じゃないのではないでしょうか。
そして、会社の成長とともに出会える人が変わっていくことを、身をもって体感される企業さんも少ないはずです。
私たちも、例に漏れず、その光景を目の当たりにしながら、今にいたります。
この話が一体、どこから「事業家気質のなぜ?」に到達するかって?
それは、私たちの歴史を少し紐解かないことにはお伝えできません。
もうしばらく、お付き合いください。

「採用の景色」が変わった日

2023年、雑居ビルからオフィスビルへ移転。
立地にもこだわり、中心部にある14階建ての14階に入居を決めました。
オフィス移転は、私たちにとって成長の意思表示でもありました。
コロナ禍を経て、リモートワークが当たり前になった今だからこそ、オフィスの意義を見出した私たちは、自宅でもコワーキングスペースでも手に入らないものってなんだろう?と考えました。そうして選んだのが、今のこのオフィスです。
オフィス移転についても、お伝えしたいことは山の如しですが、今はこのくらいにしておきましょう。

とにかく、ここから採用で出会う人がガラリと変わりました。
以前なら、出身校を見て驚いていたような人たちが、当たり前のようにエントリーしてくれるようになりました。
学歴で人を区別しているわけじゃありませんが、きれいごとをいうつもりもない。
私たちじゃなくたって、よくこのように言われている、というやつです。
いわゆる難関校と呼ばれる場所を卒業した人や、部活動で一定の成果を出してきた人たちは、みんなが遊んでいる時期に、猛烈に努力して、目標達成してきたという事実。
その過程で培われた成熟度、考える力、行動力。
特に、抽象と具体を行き来する力。
これは、差として現れやすいということ。
とはいえ、発現はあくまで確率の話なのだけど。

私たちのお客様企業の採用風景を見ていても、確かにそうだ、と言える景色がありました。中小企業の多くは、社長のパワーが強い。
その環境下で、有名大学の新卒を積極的に採用し、古い体質をアップデートしていったお客様企業も。
人を入れ替えれば、すんなり成長できたなんてイージーなことではないでしょう。
でも、確実に、健全に、成長を遂げている姿がある。
出会える人が変わっていくフェーズに入った私たちは、そんなお客様から、クリエイティブやブランディングのご相談をいただくようになったわけです。

これは偶然ではなく、必然だと思いました。

「ゼロから新卒採用」の洗礼

2025年、新卒採用にチャレンジすることになり、シンプルな問いに直面します。
「誰を採るべきか?」
採用とは、未来のための投資。
会社の未来を築いていくために、力になってもらいたい人をお迎えするのが目的です。
なにより、新卒採用は独特の流れや動きがあるらしい。
どうしたらいいの!?からスタートでした。
採用ブランディング会社さんの手ほどきのもと、採用コンセプトや採用ピッチ資料を作成。なにもかもが「何それ、おいしいの?」状態の私たち。
よく分からず、言われるままに形にしていきました。
のちにこれらが、ガッツリ効いてくるなんて、当時は知る由もなく。
採用にはブランディングもマーケティングも伴うという壁にもぶち当たります。
世にいう「母集団形成」ってやつは、一体どうしたらいいのかわからなかったから。
何をすれば、新卒さんと出会えるのか!?
盛大なモヤモヤとホヤホヤの採用ピッチを携えて「採用代行会社(RPO)」という心強い助っ人の存在に辿り着きました。
猛スピードで企業を選定、10社の中から1社と運命的な出会いを果たしました。
決め手は、スキルや実績ではなく、私たちという集団に興味を持ち、真剣に関わってくれそうか。
それは、オフィス移転のときに内装デザイン会社を選ぶ基準と同じでした。

採用は「ビジョンの最前線」

こうして、25卒・26卒の新卒採用チャレンジがスタートし、日々、数々の気づきと改善の嵐。
いちばんの洗礼は、カジュアル面談。
まずやってみよう!の精神で果敢に挑み、自社として「今、何を伝えるか」が具体的になっていなかったことに気づかされます。
もっというと、採用担当が自社のビジョンを初対面の学生さんに伝えられるほどに昇華できていなかったことが露呈。
オフィス移転当初の私たちの中長期ビジョンは「東海圏NO.1のブランディングエージェンシー」でした。でも、しっくりきていたわけではありませんでした。
でもいざ人に話すようになってみると「それじゃあなんだかつまらないし、夢がない」
と、心の声がどんどん大きくなっていく。経営陣が揃って次の3年を考えた時、「グローバルブランディングエージェンシー」「BORDERLESS」というビジョンフレーズに辿り着きました。何年も前に会長が描いていた「モンスターファーム」という世界観が、ここで繋がりました。
モンスターファームとは、様々な個性で尖った能力を持つ人たちが集まり、互いの長所で短所を補い合い、無理をしなくても、お客様の笑顔創造を叶えていけるチーム。あらゆるバックボーンを取り払って、世界中のいろんな仲間たちと活躍し、興味深い存在になっていきたい。そのために、新卒のみなさんの力を貸してもらいたい。その想いが、ようやくメッセージできる状態になってきました。
そして人事は気づきます。
会社のビジョンを、会社の活動の超具体的な最前線で使うのが、人事の仕事であるのだと。
採用は、会社の未来に直結した事業であるのだと。人事は未来のための仕事。
こうしてカジュアル面談という最前線で出会う求職者の方々に、懇々と会社の未来を語るようになり、徐々に新卒採用のスタイルを見出していきました。
そして、26卒に内定者さんも誕生。
残念ながらの内定辞退もしっかり経験させてもらいました。
もちろん、どちらからも学びがあり、それが27卒のチャレンジに繋がっていきます。

「生きた人物像」との出会い

26卒での学びを携えて、現在、27卒へのチャレンジが続いています。
目下、「お迎えするには、どんな人が相応しいか」「自社にとって、採用とはなんなのか」を、よりハッキリさせざるを得なくなる機会に恵まれています。
そこにもまた、人との出会いがありました。
お客様企業で活躍する新卒出身の社員さんたち。
協力会社さんの新卒1年目、3年目のメンバーさんたち。
学生団体で活躍されている学生さんたち。
彼らと接する中で、はっきりと気づかされました。
優秀さに、年齢は関係ない、ということを。

なかでも、ある協力会社さんの新卒3年目の方は、私たちにとって「生きた『求める人物像』」となりました。クリエイティブの事業で採用サイトをご提案する時にも『求める人物像』をお客様からお聞きするので、慣れていないわけはありませんでしたが、生身の人物像と出会うとどれくらい境界線がはっきりするのか、という経験は奇跡的です。
ある時、この方からご相談をいただきました。
内容は、マーケティング担当として、自社の提供価値がどこにあるのか分からないというもの。ご自身にとっては進退を考えるほど悩んでおられるという、非常に踏み込んだ内容でした。これがどれだけ特異なことであるか。少なくとも、今の私たちにとっては。
新卒3年目にして、経営幹部のような高い視座をすでに持っている社員さんがいるという事実。この人をそうさせるのは何なのか、このような人と出会い、採用し、活躍してもらえているのは一体なぜなのか。
ここに、私たちの採用が成長するヒントを見出せる気がしました。

「新卒を舐めない」という文化

同社のメンバーさんたちは精鋭揃い。どうしてこんなに優秀な人たちがいらっしゃるのか、と素直に聞いてみたところ、彼らは口を揃えてこう言います。
「自社には、新卒を舐めない文化がある」と。
新卒だからといって、「社会人1年生」として甘くみることはないといいます。
やり方とゴールを渡され、背中を押される。「できるよね」と。
ちょうど自主学習の塾のように自走する力が試される、そんな文化があるとのこと。
メンバーのお一人曰く「1年目から一気に崖に突き落とされて、這い上がった。だから仕事筋が身についた」のだそう。
同社へ訪問した時のこの方のアテンドが、とてもスマートだったことは、今でも忘れられません。振る舞いに感銘を受け、「これはあなたの資質なのか、教育を受けてのものなのか?」と尋ねたら「こういうのは、教わってできるようになるものです。」と淀なく答えてくださって、ハッとしました。
自分たちは、何も教えてこなかったな、と。
「できる人は、できる」と勝手に思っていた。
「できない人は、できない」と片付けてしまっていた。
でも本当は、そこに手を打てたはずだった。
というか、手を打つのが当たり前のことだった。
こうして、日々、彼らから数々を教わり、学ばせてもらっています。
そして、ここまでの経験を経て、ようやく一つの言葉に辿り着くのです。
それが「事業家気質」でした。(やっと!)

「事業家気質」の正体

定義するなら、正解のない場所で「たぶん、こうじゃないか?」と仮説を立て、泥臭く動き、何度でもやり直せる力のこと。
難しい言葉で言えば「抽象と具体の往復」となるわけですが、もっとシンプルに言えば、「転んでもただでは起きず、走りながら考え抜ける力」であり、「誰かのせいにせず、現場で答えをつくりにいける強さ」のことかもしれません。
自ら学び、動き、振り返り、また変えていく。
この「正解がなくても前に進める力」こそが、自社の周りで出会った魅力的な若手のみなさんに共通する光景でした。
彼らは、指示がなくても考え始めます。
判断の責任を、誰かに丸投げしたりもしない。
いわゆる「地頭がいい」という言葉で片付けることもできるけれど、きっとそれだけじゃない。自分の人生と仕事のハンドルを、自分の手でギュッと握っている。そんな「覚悟」のようなものが、彼らのスピード感や真摯さの源泉に見えたのです。

社内に生息する「事業家気質」

社内にも、同じようにハンドルを握っているメンバーがいます。
「ライオンハートはブランディング屋だけど、マーケティングが足りない」と言って、勝手に(!)動き始めた中途3年目のディレクター。
最初は、周りの理解が得られたわけではありませんでした。それでも彼は、腐らずに「今、自分ができること」を考え続け、アクションを止めませんでした。
やがてAIが追い風となって活動が加速、エンジニアと連携して、ついには自社サービスまでリリースしてしまった。本人曰く「去年まではたった一人の自分という感覚だったけど、今は自分の中に何人かの自分がいるみたいだ」とのこと。それほど、元々のコア業務から派生して活躍の幅が増えていったということです。
私たちは、「これが自分たちの商売だ」と凝り固まって、それだけを続ける組織ではありません。目の前のお客様の課題を見て、自分たちのリソースを見て、「お役に立てるかも」と思ったら、GO。理解されるか、応援されるか。そんなことを気にする暇があったら、目の前の改善を繰り返す。
この「未完成さ」をおもしろがり、自らハンドルを握って加速させられる人。
そんなリアルな人物像が社内外で重なったとき、私たちは確信しました。
「私たちが一緒に走りたいのは、こんなふうに『事業家気質』を持った人なんだ」と。

だから、「事業家気質」

私たちは、起業家を求めているわけではありません。会社の中で必ず事業を起こしてほしい、と言いたいわけでもない。
ただ、目の前の仕事や組織の課題を、ひとつの「事業」として、自分ごとで引き受けられる人と一緒に走りたい。未完成な会社を、自分の手で面白くしていける人と、一緒に未来をつくりたい。そう願っています。
​正直な話、今のライオンハートはまだ道半ばです。今回お伝えした「事業家気質」のメンバーが組織の過半数を占めているかといえば、まだそこまでには至っていません。だからこそ、今、あなたの力が必要なのです。
「世界をより良くする」という仕事に、マニュアルはありません。正解のない判断から逃げず、挑戦と改善を繰り返してこそ、私たちの掲げる「MAKE WORLDS BETTER」は実現できる。大手企業のように完成された組織ではないからこそ、自分たちの手で組織を次のステージへと引き上げる手応えを、ダイレクトに感じられるはずです。
私たちが目指す組織像「モンスターファーム」のモンスターたち。それを別の言葉で言い換えるなら、まさにこの「事業家気質」を持った人たちのことです。主体的に考え、試行錯誤し、創意工夫そのものを楽しめる。その資質こそが、ライオンハートのグループカルチャーである「LET’S ENJOY! GIVE FIRST!」を体現する鍵になります。
たとえば、普通に話しているだけで、いつの間にかMAKE WORLDS BETTER、笑顔創造へ矢印が向き、同じ方向を見て駆け抜けている。そんな最高に興味深い集団を創っていきたいのです。だから私たちは、「事業家気質」の仲間を、どうしても迎えたい。
もし、この記事を読んで少しでも心が動いたなら、ぜひ一度話しましょう。

「はたらくことは、生きること」だと思える人へ。