Title フィリピンレポート:フィリピン法人日本人マネージャーから学ぶフィリピンの現状

Date 2021.07.21
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弊社では毎週月曜の始業時間に全体朝礼を行なっています。
その際、ファシリテーターを持ち回り制にしていて、事前に「何について話すのか?」もしくは「○○さんの話が聞きたい」のどちらかのお題を選び、各自準備をして朝礼に臨みます。
先日の朝礼では、弊社のグループ会社LH&Creatives Inc.のマネージャーとして活躍中の社員さんが、日本に居ては知ることができないフィリピンの現状、リアルを伝えてくれました。

全体朝礼をインナーブランディングに活用

弊社はフィリピン(マニラ)にLH&creatives Inc.というグループ会社(現地法人)を持っています。
ITアウトソーシングを行っている会社で、弊社のプロジェクトの一部をアウトソーシングして手伝ってもらっています。
そのLH&creativesは、2016年マニラ最大の都市マカティに設立しました。
2019年末には手狭になったオフィスからより広いオフィスへの引っ越しが完了し、2020年度には新たなスタートを切るつもりでおりました。

そうした矢先に世界中でコロナが蔓延しはじめます。(フィリピンではCOVID-19と呼んでいるようです)
フィリピンでは、ドゥテルテ大統領の大号令の元、世界に先駆けたロックダウン(外出禁止措置)を行い、感染拡大防止に努めることになります。
フィリピン法人でも突然決まった施策に対応するため、スタッフにパソコン(デスクトップ機とモニター)を持ち帰らせて、急遽リモート勤務に移行することになりました。
ところが、この世界最長と呼ばれるロックダウンの甲斐もなく、感染者数は感染者数は増える一方…
右往左往するフィリピン政府の施策に振り回される国民と我々のような外資企業。
飲食店では屋内で飲食できる人数に制限が設けられ、企業のオフィスでも同様に出勤人数の制限が設けられました。
また、地域それぞれにもコロナ関連の措置があり、スタッフが暮らす地域でバスや乗り合いのバンなどが運行停止するなどして、スタッフが出勤できない状況も珍しくないとこのことです。

こうした状況もあり、現地スタッフとのコミュニケーションはもちろん、予定していた採用活動も全てリモートで進めることになりました。
しかし、英語でのやり取り、そしてフィリピンの安定しないインターネット回線での面接は、私達にとっては簡単なものではなかったようです。

また、日本法人スタッフが渡航するスケジュールを立てていましたが、フィリピン政府の施策が二転三転し、何度もキャンセルすることになります。
海外法人、スタッフのマネジメントの難しさを思い知らされた期間でした。

 

フィリピンのコロナ状況

ここからは、LH&creativesの日本人マネージャーが朝礼用にまとめてくれた資料を用いて、フィリピンにおけるコロナの現状、その影響や環境変化についてご紹介します。

 

コロナの感染状況など

日本の人口が約1.263億、フィリピンの人口が約1.08億と、実は大差はありません。(フィリピンの人口が多くて驚きますね)
上図の資料によれば、人口における感染者の割合は、フィリピンが日本の約2倍という数値になります。

また、ワクチンを1回以上接種した人を人口比で見ると、日本の三分の一以下とのことです。

※各数値の計測日は添付資料を参照ください。

 

世界最長のロックダウン


冒頭でもご紹介しましたが、このロックダウンには私達も苦しめられました…
フィリピン人も住まいから出ることができず、外出には許可証が必要で、ロックダウン開始時には各所で検問が設けられるなど、かなり厳しいものでした。

また、フィリピンには多くの日系企業が進出していましたが、撤退した企業もいくつかあったようです。

 

コロナによる日常の変化

フィリピンではコロナ禍のことを「パンデミック」と呼んでいますが、その影響は日常生活にも及びます。

厳しい外出禁止

 

感染者数が増加すると、外出禁止など、日本にはない厳しい措置がとられるとのことで、違反すれば最悪逮捕されることもあるそうです。
外出禁止の時間帯に外を歩いていたスタッフは職務質問を受けたそうです。

 

レストランなども規制対象に

店内飲食が禁止になると、「外なら大丈夫なのか?」とよくわからない理屈で、店先に椅子とテーブルを置いて営業をはじめたそうです。
フィリピンは日本の夏の気候ですから、外はかなり暑いはずですが・・・冷えたビールは美味しいかもしれませんね。

 

トラッキングされている?

 

ショッピングモールなど店舗への出入りはトラッキングされます。
このように日本より厳しい統制がとられているようですが、手書きで適当な情報を記入しても誰もわからないなど、管理がいい加減とのこと…
 

マスク、フェイスシールドの着用義務



マスクやフェイスシールドの着用については、日本よりもかなり厳しく求められるようです。
フィリピンのショッピングモールやオフィスビルの出入口には必ずセキュリティスタッフがいますので、そこで必ずチェックされます。
年間を通して日本の夏のような気候ですから、フェイスシールド、マスクで生活するのは大変ですね。

オフィスの制限について



LH&creativesでは、上図のように、ダンボールフレームに透明のシートを貼った簡易的なパーティションを用いています。

 

実際の生活面では?


フィリピンのレポートをしてくれた社員さん、幸いにも体調不良もなく、業務にあたってくれています。(本人曰く腰痛があるくらいとのこと)
とにかく、フィリピン人スタッフが揃って出社し、仕事ができる状況になるといいですね。

弊社ではフィリピン法人への研修旅行などもあり、フィリピンで現地スタッフと直接コミュニケーションを取る機会を設けていました。
実はその研修旅行を企画していたところ、コロナで全ての予定をキャンセルすることに…
以前のように自由に行き来できるようになればと願うばかりです。