Title フィリピンのクリスマスって??

Date 2023.12.28
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海外(フィリピン)に子会社を持つ弊社では、「どのようにマネジメントしているのか?」と質問されることは少なくありません。
実際、年間に何件か、「フィリピン法人を見学したい」とお問い合わせいただくこともございます。
そうしてご興味を持っていただく方/企業にお伝えしているのが、「マネジメントするにあたって大切なことの一つに、その国のこと、国民のことを理解するのが大切です」ということです。
つまり、文化や慣習への理解は必須ということです。
例えば、「クリスマス」ひとつとって、日本人のそれとは大きく異なります。

今回は、フィリピンのクリスマスについてご紹介するとともに、そのイベントがフィリピン法人のマネジメントにどんな影響を与えているかについてもご紹介してみたいと思います。

日本のクリスマスと、フィリピンのクリスマスの違い

日本でクリスマスといえば・・・
恋人たちにとって特別な日 寒い冬 ケンタッキーフライドチキンを食べる
・・・などのイメージがありませんか?
フィリピンでは、恋人たちにとって特別な日というわけではなく、基本的に家族で過ごします。
そのため、多くのフィリピン人は、クリスマスには田舎に帰省してしまいます。
さらに、フィリピンは熱帯雨林気候ですから、クリスマスでも気温は30度前後、常夏のクリスマスです。
フィリピンにもケンタッキーフライドチキンはありますが、クリスマスだからと言って食べるという人は一人もいません。
ちなみに、フィリピンのケンタッキーフライドチキンにはご飯がありますw
こんな風に日本のクリスマスとは大きく異なります。

これも当然で、実は、フィリピンは国民の9割以上がキリスト教徒。東南アジアで唯一のキリスト教国と呼ばれています。 そんな彼らにとってのクリスマスが、日本人の私たちのクリスマスと違った意味を持っているのも当然ですね。
それが理由か分かりませんが・・・ クリスマスの準備(装飾など)は、なんと9月から始まります!
フィリピンのクリスマスは世界で一番長いと言われ、9月(September)、10月(October)、11月(November)、12月(December)がクリスマスシーズンにあたり、フィリピンではこの期間を「Ber Months」と呼んでいます。
この期間になると、キリストが馬小屋で降誕した様子を表したジオラマのようなものが街に飾られ、車のダッシュボードに置かれたりもします。
さらに、12月16日〜25日の期間中、フィリピン人は毎日ミサに参加し、キリストの生誕を祝います。
そのミサは教会だけでなく、ショッピングエリアに設けられた特設会場でも行われています。
ちなみに、フィリピンのショッピングモールには教会があります。それを見た日本人は驚きます。
このように日本のクリスマスとは違い、宗教的な意味合いが非常に強いのが特徴です。
こうした背景もあって、フィリピン人にとって一年で一番大切なイベントは、クリスマスとなっています。

マネジメント視点から見たフィリピンのクリスマス

マネジメントしていくにあたって注意しなければならないのは、クリスマスが近づくにつれてフィリピン人スタッフは、「心ここにあらず」状態になっていくということです。
ですから、それを加味して仕事の内容や量を調整してくマネジメントを心がけなければなりません。
嘘のようなホントの話です。

そんな彼らにとって、最も重要な社内イベントは「クリスマスパーティー」です。(アウティングと呼ばれる社員旅行と同じくらい重要な社内イベントです)。
ちなみに、このクリスマスパーティーに宗教的な意味合いはそれほどなく、日本の忘年会にあたるものと考えてもらうとイメージしやすいと思います。(ただし、パーティー開始の際にはお祈りがあります)
ほとんどの企業がクリスマスパーティーを開催するため、11月後半から12月中旬は、レストランやカラオケルームは予約でいっぱいになります。
会社によっては、社員の出し物でダンスを披露したりするため、クリスマスシーズンになると、公園でダンスの練習にはげむフィリピン人を多く目にすることができます。

企業が準備しなければならないのは、クリスマスパーティーだけではありません。
「クリスマスバスケット」と呼ばれる、缶詰やワイン、パスタなどを詰め合わせたものを贈る習慣があり、その準備も必要です。
シーズンになるとスーパーの食料品売場にクリスマスバスケットが並び始め、企業が予約している分も含めものすごい数のバスケットが店内外に溢れかえっている様子を見ることができます。
バスケットの価格はピンキリあるのですが、弊社では一人あたり日本円で5千円位のバスケットを購入しました。 数百人を抱える企業であれば、馬鹿にならないコストですね(汗)

さらに、企業側には、「13 month pay」というボーナスを支払う義務があり、この時期の月次決算は必ず!?赤字になりますw

外国人を雇用したり協業するにあたり、その国の文化を理解することが大切だと、過去の記事にも書かせていただきました。
クリスマスというイベントも、国が変われば、全く違うことがご理解いただけたと思います。
海外で拠点運営したり、外国人スタッフと働く場合、こうした違いを理解したマネジメントが必須ですね。