仲間を知る

情ではじまり、理でおさめる。言葉にならない想いまで汲み取る営業

こんにちは! ライオンハート人事・広報担当の堀部です。今回お話を聞いたのは、営業のかずさん(北村のニックネーム)。ライオンハートの営業は、社長とかずさんの2人だけ。社員の中で最も長くライオンハートを見てきた一人です。

先輩社員紹介では、ライオンハートが大切にしている人物像「事業家気質」をテーマにしています。正解がなくても自分で考え、動きながらより良い形をつくっていく人のことです。

形のないブランディングを、かずさんはどう売っているのか。そして「今までのやり方では厳しくなる」と気づいたとき、どう動いたのか。たっぷり語ってもらいました。


【プロフィール】

・インタビュイー

北村 和重(営業)
2008年に前職の広告会社を経て、ライオンハートへ中途入社。社内では「かずさん」と呼ばれている。以来20年近く、ライオンハートの営業を担う。団体やグループ、同業種など、人の縁をつないで仕事を広げていく「横展開」の営業を得意とし、地域の金融機関と連携した新しい営業ルートを自ら開拓。ライオンハートの価値観や強みを熱く語れるメンバーの一人。「情ではじまり、理でおさめる」営業スタイルで、お客様の言葉になっていない想いまで汲み取ることを大切にしている。

・インタビュアー

堀部 智子(クリエイティブディレクター/人事・広報担当)
ディレクターアシスタントとして約10年間、ライオンハートの現場に携わり、その後、社員登用の道を選びアシスタントを卒業。クリエイティブディレクターとして、日々お客様の事業や組織をより良くすることに向き合いながら、現在は人事・広報も兼務し、採用や組織づくりにも携わっている。現場で事業と向き合う視点と、人と組織の未来を考える視点の両方を持ちながら、ライオンハートの思想や働き方を発信している。


Q1. かずさんの営業スタイルを教えてください。

言葉にならない感情まで汲み取って、懐に入る

私は、相手の機微を捉えるのが得意なんです。事業の課題と、相手の言葉になっていないかすかな感情の動きを掛け合わせて、懐に入り込んでいく。熱量で、相手の想いや悩みに寄り添うスタイルですね。

同じ営業でも、社長とはまったく違います。社長は、俯瞰の視点から本質的な質問を繰り返して、最短距離で課題にたどり着くスタイル。案件でいうと、社長は関係のないところから0を1にする「縦」の新規営業が上手い。私は「横」が得意で、団体やグループ、同業種など、人の縁をつないで1を10にしていく展開を担当することが多いです。

大事にしているのは、経営陣ではない一般社員の私を、どこか一つでも優秀だと感じていただくこと。そうして信頼を得られたとき、「北村」というフィルターを通して、ライオンハートが信頼できる会社だと思ってもらえるんです。だから、ビジネスマナーは当然守りながら、お互いに一瞬でも一緒に笑える瞬間をつくって、早めに距離を縮めるようにしています。

一般社員だからこそ、経営者の方の愚痴や、少し恥ずかしい本音まで話していただけることもあります。自社の課題は、人に話す機会も少なく、なかなか言葉になりません。それでも一生懸命に話してくださる。だから必死に聞いて理解しようとすると、深くてつらい話をしてくださったにもかかわらず、「ありがとう。勉強になった」と言っていただけるんです。こちらは、ただ真っ直ぐに仕事をしているだけなのに。非常に意義のある場に立たせてもらっていると実感します。

Q2. ブランディングという「形のないもの」を売る難しさは、どこにありますか?

形がないからこそ、お客様と認識を揃える

形のないものの印象や中身が、お客様の頭の中にあるものと、ライオンハートが描いているものとで、本当に同じなのか。それを揃えるのが一番の難しさだと思います。

たとえば「高い」と言われたとき。それはライオンハートを否定しているのではなく、以前つくったときの金額と比べているのかもしれない。だから、まず一度飲み込んで、なぜそう思ったのかに興味を持って質問します。理解している範囲や深さはお互いに違うので、同じ認識になるまで諦めないことが大事なんです。

予算も、低めにお伝えいただくケースや、まだ明確でないケースもあります。何がどうなるかわからないものに対して、慎重になるのは当然のことですよね。

営業は、この「何がどうなるかわからない」という状態を、一つでも多く解消していくのが仕事。要は、安心していただくことです。昔は伺った予算に近い提案をしていましたが、今は予算を超えた最大の提案と、予算に近い提案の両方を用意します。要望に応えながら、その先の可能性も感じていただけるので、安心につながっていると感じます。

難しいけれど、だからこそ面白いんです。形も、同じ答えも、テンプレートもなく、お客様の前では毎回がライブ。そうして信頼していただき、受注につながったときの喜びは格別です。受注は会社に血を注ぐようなものなので、その楽しさは私だけのことじゃないんです。

Q3. 営業として、「これだけはやらない」と決めていることはありますか?

信頼を裏切ることだけは、しない

やると決めたことを守らないこと、ですね。特に、信頼を失うような裏切り行為は絶対にしません。

たとえば、アポに遅刻しない。会う約束をしたのに遅刻するのは、相手の時間を大切にしないということなので、裏切りだと考えています。電話の折り返しやメールの返信も同じです。返事をしないような相手が、信頼されるわけがないので。

もう一つは、分かったフリをして帰ってこないこと。ヒアリングでわからない言葉や表現があったら、スルーせずに理解してから持ち帰ります。昔はたまにやってしまっていたんですが、それだと「私が聞きたいことだけ聞けたから帰る」という印象になってしまう。私が聞きたいことも大事ですが、相手が話したいことも大事。そこに興味が持てないなら、会う意味が薄れると思っています。

そうした積み重ねの先に、競合が多く、会社のことから私個人のことまで質問が続いた案件で、「北村さんにお願いすることにしました」と名指しでご依頼いただいたことがありました。あのときは本当にうれしかったですね。

逆に一番聞きたくないのは、「ライオンハートさんなら、北村さんなら大丈夫だと思ったのに」という言葉。時間と能力をすべて使って得た信頼を、一気にゼロ以下にしてしまう言葉なので。

Q4. 新しい営業ルートを開拓したそうですね。きっかけと、どう動いたのかを教えてください。

これまで通りはあり得ない。だから、外に答えを探しに行った

きっかけは、「今までのやり方では厳しくなる」という危機感です。理由は3つありました。1つは、社長のトップ営業に頼る部分が大きく、営業の柱を増やす必要があったこと。もう1つは、営業が社長と同年代の2人だけで、これからを考える必要があったこと。

そして一番大きいのが、市場の変化です。AIで営業の自動化が進む中、人が必要とされて残るのはEQ(心の知能指数)の高さだと思っています。営業されるのは誰しも嫌なもの。そう感じさせない、相手の感情を理解できる営業が育たないと、強い営業チームはつくれない。市場が変わっているのに、これまで通りはあり得ないと思いました。

そこで最初にしたのは、お客様への相談です。「調子が良くて見込みも立ってるよ」という好調なお客様に、営業の手法を聞いてみました。業種も立場も違いますが、何かヒントがあるかもしれない。そのルートを真似してみようと、紹介していただいて実際に会いに行きました。長く仕事をしていると、考えが凝り固まったり、アイデアが枯渇してきたりします。そういうときは一人で悩んでも答えは出ない。誰かに相談することが大事なんです。

そこで知ったのが、地域の金融機関によるビジネスマッチングの仕組みでした。ただ、経営者が契約を結ぶのと、一般社員が切り込んでいくのとでは大きな差があります。相手も基本的には、一般社員を相手にすることは少ない。

それでも、可能性がないわけではない。だから、まずは東海圏に店舗を持つ地域の金融機関を、すべてあたることにしました。それぞれの特徴や戦略、お客様との接点、印象をつかむためです。情報がたまるにつれて特色が見えてきて、それぞれが望む形に合わせたアプローチができるようになっていきました。

目指したのは、行員の方々にライオンハートを推したいと思っていただくこと。中心になる支店の支店長などとの接点を探っていくなかで、多くの場所で「勉強会」が中心になっていると知りました。そこでセミナー営業を横に広げ続けた結果、多くの成果につなげることができました。

結局は、人対人の中で信頼を築いていくことが大事です。「これはうまくいくかも」と思えるのは、目の前の人が、頼んだ次のアクションをしっかりやってくれたとき。後回しにされることが多いので、期日と次回以降のアクションまで共有して、動いていただける方法を細かく決めるようにしています。今も、次のルートを探し続けています。

Q5. 20年近く会社を見てきたかずさんから見て、ライオンハートらしさはどこにありますか?

「手が抜けない」のが、ライオンハートらしさ

ライオンハートらしさを一言でいうなら、「手が抜けない」ことだと思います。

たとえば見積書。「ホームページ制作一式でいくら」ではなく、すべての工程に単価を設定して、提供範囲と対価を曖昧にしない。入社した頃から、「ちゃんとしている会社だ」と思っていただくことを大事にしてきました。

社内でも、「大体でいいから仕上げておいて」とか「今週中で」みたいな曖昧さを許さず、論理で説明できない仕事をしない。お客様からいただいた対価の中で仕事をするので、大体の感覚でやっていいわけがないんです。「隣にお客様が座っていても、同じ言葉を使って失礼だと思わないのか?」。そんな地道だけど大切な考え方が浸透しているので、手が抜けないし、力がつきやすい環境だと思います。

うまくいかずクレームになってしまったときも、怒りをぶつけるような風土はありません。なぜ起きたのか、どう防ぐのかを突き詰めて、同じことを繰り返さない。それはずっと変わらないところです。

Q6. これから入る人へ、一言お願いします。

喜んでいただいた後に、自分が喜べる人へ

営業は花形ではなくて、周囲に喜ばれるために最前線にいるってだけなんです。特別偉いわけでもない。ただ、最前線にいることは誰にでもできるわけではないので、営業が好きだったり、強く興味を持ってくれる人なら向いていると思います。そして、謙虚さは欠かせないと思います。

逆に、自分が先に喜びたい、楽しくないとつまらない、と考える人には合わないかもしれません。最適な答えは、いつもお客様の中にあります。それを引き出すには、相手への尊敬や興味が欠かせない。自分を先に通しすぎると、自分が話すことが中心になってしまって、大事な情報はいただけないんです。

私がつくってきたやり方は、「情」と「理」に分けて伝えていきたいと思っています。「営業活動」とひとまとめにせず、これは何に効いて、なぜ必要なのかを、使う場面に合わせて知ってもらう。営業は大変、ではなく、価値ある仕事なんだと伝えたいですね。私はゲーム感覚で仕事をしているので、一つ手に入れたら市場で使ってみる、くらいの感覚でいいんです。

喜んでいただいた後に、自分が喜べる。それだけで能力です。