Title 中途も新卒も!中小企業の採用にこそオススメしたいSPI総合検査

Date 2021.04.12
Category
Hashtag

SPIって何だっけ?

はるか昔に新卒採用入社試験を受けた人の中には「SPI」と聞いて、なんとなく懐かしく感じる人もいるかもしれませんね。毎年決まった時期に一定人数を「新卒」として採用する日本では、SPIは新卒採用の代名詞くらいに感じる人も少なくないのでは。
正式名称は「SPI総合検査」。リクルート社が提供している採用適性検査で、履歴書だけでは見えない応募者の能力や性格特徴など「個」を窺い知ることができるというもので、多くの企業で用いられています。ひと昔前だと、特定の会場に行って受検するのが普通でしたが、最近では自宅などのパソコンからでも受験ができるようになっています。ちょっと調べてみたころ、公務員試験の代わりに利用している自治体もあるとのこと。

SPIテストの内容

①適性テスト

約200の質問に対して「はい」か「いいえ」で回答してもらい、性格を判断するテスト。行動的側面、意欲的側面、情緒的側面、嘘をついていないかの4つの観点から出題されます。嘘発見については、ほんとかよ!?と思ってしまいますが、実際、当社に無事入社してくれた社員さんの結果で「噓をついてる可能性あり」という診断が出た人がいました。のちに本人に聞いてみたところ、SPIでは自分をよく見せようと思って「こう答えた方がいいかな?」という答え方をしたのだとか。「バレてるw」って笑ってましたけど(笑)。テスト結果は、どの項目に対してどのくらい嘘っぽいのかがわかる仕組みになっていて、嘘っぽい部分をさっ引いてみてみても問題のない方だったので、採用に踏み切りました。今では制作の要として活躍してくれつつあります。

②能力テスト

言語分野と非言語分野に分かれています。要するに国語と算数のような簡単な問題が出題されます。 ライオンハートでは、言語分野の得点が高めの人は弁が立つ・説明が上手な側面があって、ディレクターや営業のように指示を出したりプレゼンテーションする側としてはいいのでは?と解釈することがあります。反対に下手すると言い訳大王になる可能性もある、と分析したりしています。逆に、言語分野が低めの人は、説明がニュアンスになりやすい、雰囲気で話しやすいなどが考えられます。非言語分野に長けている人は論理性が高めの可能性があります。ただし、論理性が高くても言語分野が著しく低ければ、コミュニケーションが取りにくい人の可能性も。これらはすべて、能力テストだけで判断するのは難しく、①の適正テストでの性格的側面と照らし合わせて考えることが大事です。

 

SPIを活用に踏み切った理由、そして活用法

①教育で取り返せなかった失敗の数々

今でこそ書類選考から内定までの間に最低6つもステップがあるライオンハートですが、かつてはそうじゃありませんでした。「選考ステップは短い方がいい!」という求人広告系の営業さんからのアドバイスを鵜呑みにし「確かにそのほうがこっちの手間も少ないし…」と、軽く考え1−2回の面接で採用を決めたこともあります。何年も前から行ってきたリファラル採用でも「○○さんがいいって言うなら」的な発想で、1−2回の面接のみで採用。もちろんそうした経緯で入社した社員さんの中には今でも前線で大活躍してくれている人もいますが、ほんの一握りです。そうしたケースが奇跡以外になんと言おうかというくらい、面談2回以内のケースは失敗が続きました。

失敗の多くは、入社後に起きるお互いの絶望。こんなはずじゃなかった!ってやつです。採用した側としては「こんな人だったのか」っていう。でもこれ、誰が悪いわけでもないんですよね。お互いよく知らないのに付き合い始めちゃったカップルみたいなもので。結果、お互いのためにということで協議の上お別れすることに。このミスマッチをどうにかして防げないか。そう考えて、まずは面接を役員全員で行うことにしました。それでも、所詮人間の眼。本当に合っているのか客観的に見るためにSPIの導入に踏み切りました。
SPI適性検査は世の中に色々あると思いますが、ライオンハートはこちらにお世話になっています。

 

 

②かつての採用での「NO MORE ○○さん」を防止

共通言語「会社でいうところの、誰?」ができる

まず、役員含め既存の社員全員に実施しました。採用があるごとに「会社の中で言うと誰が近いのか?」と照らし合わせています。また、かつてミスマッチで離脱してしまった人の傾向も蓄積し、似た要素を持ち合わせていないかなどもチェック。人が入れば入るほど、データが揃えば揃うほど、いいケースもダメなケースも「○○さんっぽくないか!?」をすり合わせることができて便利です。

ストレス耐性をチェックできる

SPIは個々人の性格特性だけでなく、ストレス耐性もチェックできるので便利です。私たちがお世話になっているリクルートさんのSPIでは、ストレス場面における資質としてタフさ・しなやかさ・積極性が7段階で表されます。ライオンハートのようなクリエイティブの現場は、ほぼ全てのご依頼がフルオーダーに近い状態であったり、お客様の事情や制作チームの事情など変動が多い環境なので、タフさ・しなやかさが4よりも上でなければ採用は失敗する可能性がとても高いことが分かってきました。採用チームがこうした数字の基準を持てることも、SPIをお勧めしたい理由の一つです。

おまけ:経営者・幹部・社員で違う性格特性も可視化できる
能力テストの結果は数値化されますが、適正テストの方は、行動、意欲、情緒、社会性の4つの項目に対してさらに内向性・外交性・持続性…といった細かな項目に分かれており、それらが折れ線グラフになって表示されます。経営者・経営幹部のグラフは一般の社員さんとは違った形状になっていて、割と各項目が大きく振り切ってることが多いと言われています。おそらく、創業者と後継者でも違うでしょうし、経営者と経営幹部でもまたちょっと違った波形になるでしょう。そんな見方で眺めてみてもおもしろいですよ。

 

 

 

 

③教育への活用

例えば、前述のストレス耐性では、その人がどんな状況でストレスを感じるかも7段階で表され、組織風土・仕事内容の特徴・対人面の特徴・仕事の進め方の特徴の4つの側面でチェックできます。

組織風土では、営業会社的な勢いがある風土の中ではどうか、和気藹々みんなで調和する風土の中ではどうかなどをチェックできます。仕事内容については、ミスが許されない職場は大丈夫か、ルーティンワークはどうか、フットワークが求められる場合は、アイデアが求められる場合は…などの基準が。対人面では、リーダーシップがあるか、一人で勧めるのが好きかチームでやりたいかなどをチェックできます。仕事の進め方では、変化が激しい、挑戦が求められる、スピードが求められる、自律的に進める…などについてストレスを感じやすいかを見ることができます。これらのことから、本人の特徴を踏まえて仕事の指示を出したり、フィードバックする方法をPDCAすることができて、とても便利です。

ストレス耐性だけでなく性格特性を掴んでおくと、普段その人がやってしまいがちな行動はどこから来るのか理解でき、頭ごなしに叱ったり指摘しなくてよくなります。もちろん、こうしたテストの結果については、あくまでテストを受験した時点での個々人の状態に過ぎません。なので、成長に合わせて2−3年に1回実施していくと、成長過程も辿ることができるので、ライオンハートでもぜひやってみたいと考えています。

 

 

④現在の「組織的性格」を掴む

リクルートさんのSPI3では、その人が大まかにどんなタイプの人材なのか4つのタイプに分類してくれます。血液型診断のようなイメージで、ものすごくざっくりいうと、こんな感じです。

創造重視型:挑戦的な仕事に、周囲と力を合わせて取り組むタイプ
結果重視型:合理性を重視し、高い目標に意欲的に取り組むタイプ
調和重視型:人と協調しながら、着実に仕事に取組むタイプ
秩序重視型:手続きや規則に従って行動し、計画的に物事を進めるタイプ

ライオンハートは現在、創造4:結果3:調和7:秩序4で調和重視型が多めの風土です。経営陣は結果2:調和1でバランスしています。仕事の性質上、秩序重視型は増やさなくてもいいかもしれないなとか、成長戦略をとっていくなら結果重視型のマネジャーをもう少し増やそうかなとか、風土づくりを大事にするために調和重視型を増やそうかな、というように、今時点でどんなタイプの人材が揃っているかを客観的に見ることで、次年度以降の採用計画を立てやすくなりそうです。

#採用 #人事 #組織づくり #SPI #教育