コロナ発生以降、海外渡航が容易ではなくなっていきました。
海外に拠点をお持ちの会社では、駐在員の帰国、現地のマネジメントなど、苦労は絶えなかったと思います。
フィリピンに法人を持つ弊社も、コロナに振り回されました。
コロナの影響
2016年の立ち上げ時、2名の日本人マネージャーが駐在し、一人が日本に一時帰国する際には、もう一人がフィリピンに残ってマネジメントするという体制をとっていました。
現在、1名の日本人マネージャーが駐在しているのですが、日本から交代に行くのも、フィリピンから戻ってくるのも容易ではない状況が続いています。
最近、ようやく緩和されてきたのですが、実際には直行便の本数はコロナ前と比較すると文字通り激減です。
日本からの渡航の予定は実に3度もキャンセルを余儀なくされました。(チケットも購入し、ホテルも予約していましたが・・・)
フィリピンに残り、孤軍奮闘してくれている日本人マネージャーですが、もう日本に帰国するのが億劫なのか、フィリピンの方が気楽なのか、一向に帰ってきません(汗)
実際、日本・フィリピン両国の感染状況によって、渡航条件などが変わり、最新の、そして正しい情報はなにか?を把握するのも大変な状況でした。
帰国するにもPCR検査や隔離期間がありましたし、それ以前に日本への便が数日前に突然欠航となるケースも珍しくありませんでした。
フィリピンに渡航したはいいが、戻りの便がおさえられす、フィリピン滞在の延長を余儀なくされる方もいらっしゃいました。
そんな状況を見ていましたから、日本へ帰国するよりも落ち着くまで慣れたフィリピンで・・・というマネージャーの気持ちはわからなくもありません。
しかし、最近は便利なもので、ビデオチャットなどを使えば、日本・フィリピンでも問題なくコミュニケーションが取れてしまいます。
もともとフィリピン子会社のメンバーとは業務上でやり取りもしていましたから、コロナだからといってそのコミュニケーションに変化はありませんでした。
日本人マネージャーにいたっては、オンラインミーティングで毎日のように顔を合わせていましたし、「2年以上会っていない」という感覚もなかったのです。
ところが、コロナ禍の期間中に日本法人に参画してくれたメンバーは、その日本人マネージャーと直接面識が無く、「実は会ったことないんですよね」という言葉を聞いて驚きました。当たり前なのですが・・・
そう、お互いディスプレイの向こう側の人だったというわけです。
これもコロナの影響の1つとも言えます。
海外駐在員、日本帰国の楽しみとは?
ところで、海外の日本人駐在員にとって、日本への一時帰国ってどんなものだと思いますか?
それは、ちょっとした旅行気分でワクワクするものなんです。
もちろん、帰国したら、仕事も山盛り待ち構えていて、ここぞとばかりに色んなお客様のところへ同行したり(させられたり)、かなり忙しいのですが・・・
では、なぜ、ワクワクするのか?
その理由の一つに、帰国した際、海外では手に入らないものを買うことができるというのがあります。
まず、海外で暮らすと、日本はあらゆるもののコスパが高いことがわかります。(100円均一ショップのクオリティはもう神です!)
さてさて、中でも駐在員に人気なのは、やはり日本の食べ物(調味料含む)です。
駐在している国には日本料理店もありますが、普段遣いするお店のクオリティはそう高いものではありません。
日本食材店もありますが、やはり品揃えはよくありません。 しかし、日本人マネージャーは2年以上祖国の土を踏んでいないので、何か代わりに買って送ってあげようと、社内で「救援物資」プロジェクトを立ち上げました。
「救援物資」はコミュニケーションの起爆剤
「救援物資」と大層なプロジェクト名ですが、実は、相手(ここでは日本人マネージャー)のことを知るインナー・ブランディングの一環と捉えてもいました!(・・・後付感がすごいですが)
実は以前にも荷物を送ったことがあり、そのときには各人がそれぞれに選んだものを大きなダンボールに詰め込み、送っていました。
それはそれで喜ばれて、「おでん」の缶詰や日本食の惣菜レトルトパックが好評でした。
優しい出汁の味が恋しくなるそうで。 この辺は海外生活が長い人にしか分からない感覚ですね。
それで、今回は部署ごとにチーム分けをして、多少ゲーム要素を取り入れてみることにしました。
ゲームのルールは単純で、「日本人マネージャーの心を掴んだものを選んだチームが勝ち」というものです。
しかし、これ、日本人マネージャーのことはもちろんですが、海外生活のことや、フィリピンの事情を知らないと、何を選ぶかも一苦労なのです。
まして、日本人マネージャーと会ったことがないというメンバーもいるわけですから。
決められた予算内で送るものを相談したり、ラッピングにまでこだわるチームも出てきたり、自然とコミュニケーションが発生しました。
一方でエンジニアが属するチームでは、個人プレーが目立つなど、職種の“らしさ”が見えて大変興味深かったです。
このように、「海外の駐在員に何か送ってやろう」ということも、少しの工夫でコミュニケーションを発生させることができたり、相互理解が深まる機会にできます。
さらに、日本から届いた荷物を話の種に、フィリピンでもコミュニケーションが広がります。
実際、お菓子なんかを分け合って食べたりしたようです。
彼らにとっては珍しいものも多いですから、良い社内イベントになります。
そして、「この前、日本のお菓子を食べたよ♪」とフィリピンメンバーと日本のメンバーとで共通話題ができることで、コミュニケーションも生まれやすくなります。
いかがですか?
ちょっとした工夫で社員さんを巻き込んで、自然にコミュニケーションを発生させることができると思いませんか?
例えば日本全国に支店がある場合、各地の名産を送り合うなどのコミュニケーションも面白そうですよね。
「互いを知る」、これはインナー・ブランディングでも非常に重要なことですが、その機会って案外簡単に創れるのかもしれませんね。