コロナ流行から早2年が経ち、私たちの生活や働き方にも様々な変化がありましたね。
コロナの以前、2018年に「働き方改革(関連法案)」が国会で成立し、労働者がそれぞれの事情に応じて多様な働き方を選択しやすくなりました。
そこに、日本では2020年1月頃から、コロナの流行が加わり、企業側もリモートワークの推奨を余儀なくされ、ある部分で働き方改革は大きく前進することとなりました。
こうした働き方の変化の中、今回は、労働者と企業の双方に関係する「通勤」について見ていきたいと思います。
通勤に対する考えの変化
コロナ禍において、従業員の感染リスクを減らす対策として、多くの企業がリモートワークや時差出勤を採用しました。
それに伴い、多くの人が「通勤時間のない生活」や「満員電車ではない通勤」を体験することになりました。
ニッセイ基礎研究所のデータのよれば、弊社の本社がある愛知県の平均片道通勤時間は36.2分とのことで、往復では1時間20分ほどかかります。
さらに、通勤前の準備時間も必要ですが、これは江崎グリコ株式会社の調査によると、準備にかける時間は「30分以上1時間未満」が一番多く37.8%という結果が出ています。
この調査は20代〜40代の働く女性へのアンケート結果ですから、そのまま鵜呑みにはできませんが、通勤に使う時間は準備を含めると平均1時間半〜2時間半と考えられます。
「通勤時間のない生活(リモートワーク)」というのは、労働者にとって、「1時間半〜2時間半の時間を生み出した」とも言えるわけです。
これは大きな変化ですよね。
事実、リモートワークのメリットについての各種調査を見ると、「通勤ストレスの減少」がトップにランクインしています。
しかし、一方で、リモートワークならではのストレスがあります。
「業務上のコミュニケーションがしづらい」「自宅リビングなどで仕事をするなど住環境に関するストレス」を感じる人が多いという調査結果が出ていました。
また、「声を発する機会が少ない」「業務外のコミュニケーション(雑談)がしづらい」などのストレスもあり、孤独感を感じる人も出ているようです。
その結果、弊社では「たまの出勤が気持ちの切り替えになる♪」という声もあがりました。
通勤と言えば、ヤフーが社員の居住地や交通費に関する制限を撤廃すると発表し、大きな話題となりました。
交通費の非課税上限15万円までも撤廃したのは驚きでした。
ヤフーはかなり思い切った制限の緩和に踏み切りましたが、各社、大なり小なり働き方や通勤方法の変化に合わせた対応をしています。
自転車需要の増加
コロナが拡大・長期化するなかで、移動手段として見直されてきたのが、自転車です。
これには電車通勤を避けたい人が、自転車通勤に切り替えたという背景もあったようです。
さらに、緊急事態宣言の発令で通っていたスポーツジムに行けない人などが、健康増進の目的でロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツサイクルを趣味にするケースも増えてきたようで、その結果、2020年には自転車の販売売上高が過去最高になりました。
実は長引くコロナ禍の影響で、日本だけでなく世界的にスポーツサイクルの需要増があるようで、現在も品薄や納期の遅延が発生しています。
このように通勤などに便利な自転車だけでなく、趣味性が高いスポーツサイクルのニーズも急拡大しています。
自転車通勤に関する福利厚生
弊社では、緊急事態宣言発令時には、リモートワークや時差出勤に切り替えますが、平時はほとんどのスタッフが出勤をしています。
変化としては、自転車通勤を選択する社員さんが増えたことでした。
実は私も自転車通勤をしている一人ですが、運動不足解消にもなり、公共交通機関の密を避ける上では最適な手段だと感じます。
一方で、自転車事故のリスクもありますから、会社としては公共交通機関を利用することを推奨しているものの、やはり健康や趣味の観点で応援したい気持ちもあります。
そこで、福利厚生的な考えで、自転車通勤を応援できないか?と考え、まずは駐輪場の契約を会社で行い、その費用(駐輪場代)を負担することにしました。
大げさなものではなく、可愛い福利厚生です。
しかし、世の中には自転車通勤手当を支給する企業もあります。
弊社では事故のリスクも考え、公共交通機関の利用を推奨し、公共交通機関の利用者には相応の交通費を支給していますので、自転車通勤手当までは踏み込んでいませんが。
余談ですが、現在、半数以上の都道府県が自転車保険への加入を義務付けています。
そのため、該当する自治体の自転車通勤者には、自転車保険に加入してもらい、保険証券を提出してもらうことをおすすめいたします。
社員さんのニーズに合った福利厚生?!
ところで、福利厚生と言えば、以前、弊社では「福利厚生サービス」を導入していたことがありました。
旅行、レジャー施設、レストランなど様々なサービスの割引優待を受けられるというものですが、導入されている企業も多いのではないでしょうか?
しかし、弊社では、導入して数年間、誰も使わなかったのです・・・
企業からすれば、月額千円ちょっとで、求人広告の福利厚生にも書けますから、採用関連の費用としてはありなのかもしれません。
しかし、(弊社の)従業員の立場に立つと、あまり魅力的なものではなく、使いづらいものだったのかもしれません。
ほとんど使われない、形ばかりの福利厚生ではなく、従業員を取り巻く社会情勢の変化に応じて柔軟な福利厚生を考えていく必要があると感じました。
福利厚生は企業によって様々あると思いますが、一度見直してみるのも良いかもしれませんね。
ユニークな福利厚生はプレスリリースでメディアに取り上げられることもありますから、企業としても費用対効果は大きいと思います。