Title LHメソッド ─ 課題を深く掘り起こす、オリジナルフレームワーク

Date 2025.08.13
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LHメソッド

はじまりは1案のデザイン

20年ほど前のこと。
まだライオンハートを創業して間もない頃、創業者の市川はデザイナーとしても活動していました。
多くのデザイナーがA案、B案と複数のデザインを用意して、お客様の好みに合わせて決定していくのが当たり前。
ところが市川は、なぜか1案だけで提案し、それがそのまま採用されることがほとんどでした。

「どうして自分は1案で決まるんだろう?」
答えを知りたくて、通っていたビジネススクールの卒論テーマにしてみました。
分析の結果わかったのは、デザイン力そのものよりもヒアリングの質が決定的に違っていたということ。
目的と現在地を正確に把握すれば、課題は自然と浮かび上がり、解決策も自ずと導き出せる。
逆にそれが不明確なら、提案はただの「好み合わせ」に終わってしまう──この気づきが、後にLHメソッドと名付けられ、社内の共通フレームワークとして進化していくことになります。

核にあるのは“強い興味関心”

LHメソッドの出発点は、相手への強い興味関心です。
好奇心旺盛な子どもが「WHY?」「WHAT?」「WHO?」「HOW?」と質問を繰り返すように、相手を深く知りたいという姿勢からすべてが始まります。
お客様にとっても、それは歓迎されること。自分たちのビジョン達成のため、理解しようとする相手には自然と協力的になるからです。

ヒアリングでは、お客様の答えを必ず具体化していきます。
「赤」と言われたら、どんな赤なのかを掘り下げる。
ときには極端な例を提示して選んでもらい、「なぜそれを選んだのか?」とその理由を聞く。
こうして曖昧なイメージをすり合わせることで、顕在化している課題だけでなく、潜在的な課題や見落としていた価値まで引き出せます。

プロジェクトの中で起こる変化

プロジェクトの最初にヒアリングを行いますが、そこでビジョン(理想状態)と現在地を明確化し、その間にあるギャップ(課題)をお客様と共有します。
これは単なる要件定義ではありません。認識を言語化・可視化することで、プロジェクトの軸がぶれないようにするための土台になります。

途中でお客様の要望が変わったときも、私たちはこう問いかけます。
「その変更は、最初に描いた目的に合っていますか?」
時には予算削減で大事な要素を削ろうとする場面もありますが、目的達成に不可欠だと判断すれば、遠慮なく提案を差し戻す。
結果、「やっぱり変えなくてよかった」と言ってもらえることが少なくありません。

他社との決定的な違い

深く潜ってヒアリングし、相手も気づいていない価値や課題を浮かび上がらせる。
このレベルまで踏み込める会社は、実は多くありません。
採用サイト制作の案件で、ヒアリングを通じて社員評価制度の改善にまでつながった事例もあります。
本来の依頼範囲を超えてでも、お客様の未来にとって必要な課題を提示できる──それがLHメソッドの強みです。

LHメソッド

これからのLHメソッド

いま私たちは、このフレームワークそのものを独立したサービスとして提供できないか検討しています。
採用面接、組織診断、海外プロジェクト──使える場面は無限大です。
言語や文化の壁を越えたとき、LHメソッドはどの国でも通用する“普遍的な課題発見ツール”になれると信じています。