Title インナーブランディングの最初の一歩は「日報」

Date 2021.02.11
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日報はインナー・ブランディングの推進に大活躍!

続かない日報…

私たちは毎日日報の提出を行なっています。
なんて言うと驚かれることが多いのですが、理由は「継続するのが非常に困難だと感じている」からです。
経験則からだったり、業種や職種、社風など様々な点から、必要性を感じながらも朝礼の導入に踏み切れいない企業は少なくないようです。
もちろん上記のような点は無視できませんが、経営陣や中間管理職がその目的を理解し、腹をくくって、スタッフに協力してもらう必要があります。

目的を決める

スタッフにとって、朝礼の目的はほぼありません。
もちろん活用していくうちに、「こんなときに朝礼が役に立った」ということはあるかもしれませんが、そう感じてもらうためにも一工夫必要だったりします。
そこで、まずは経営陣が目的を明確に持つことです。
「とりあえずやってみよう」でもいいのですが、それではスタッフからの疑問や不満に回答することができません。
「今日から毎日、日報を書いてもらいます!」と伝えたときのスタッフの反応を想像してみてください(苦笑)
私たちの場合、理念経営を心がけているため、理念(価値観など)の浸透が一番の目的でした。
そのため、日報の内容も理念に関するものが中心となっています。

日報の内容が重要

そもそも、目的が決まらないと内容も決まりません。
営業・作業進捗の報告などは一般的かもしれませんが、一般的だから…という理由で採用するのは危険です。
時間を使って書いてくれるスタッフに「なんとなく、日報っぽいから…」という説明ができますか?
私たちは、理念の「笑顔想像」と、指針として大切にしている「尊敬・素直・自責」に関するエピソードを書いてもらうことにしています。
具体的には、
今日1日、「笑顔創造」できた、または「笑顔創造」できなかったエピソード
「尊敬・素直・自責」のいずれか1つに基づいて行った行動
といった具合です。
また、その日、何にどれくらいの時間を使ったのかを申告してもらっていますが、こうすることで、一緒に働く仲間にも何をしていたのかを伝えることができます。

日報を継続するためのポイント

日報へのリアクションは経営陣も参加

せっかく時間を使って書いて提出した日報になんのリアクションもされなかったら…
悲しくないですか?
日報へのリアクションは必須です。
「誰かが見てくれている(関心を持ってくれている)」というのは継続の絶対条件です。
私たちは社長が一人ひとりの日報にコメントしています。
実はこのコメントするという作業もまた、大きな学びになります。
私たちの場合、理念浸透を目的にしていましたので、会社のトップである社長や経営陣もまた理念への理解を深めていく必要がありました。
毎日コメントし続けることで、理念への理解が深まるのはもちろんですが、フィードバックの精度も磨かれていきます。
結果的に、会社のトップである経営陣の成長が会社に好影響を及ぼすという大きな成果を得ることができました。
インナー・ブランディングの観点から、経営陣が率先してコメントしていくことをおすすめいたします。

スタッフを巻き込みリアクションしやすい環境を

経営陣だけでなく、仲間からリアクションされるというのは嬉しいものです。
ただ、「さぁ、自由にリアクション(コメント)して!」といっても、なかなか上手くいかないものです。
一部の人の声が大きくなるなど、マネジメントしずらい状況になることもあります。
そこで、私たちは「朝礼Lite」という取り組みで、前日の日報をピックアップして互いにコメントし合うという取り組みをしています。

リモート環境にもおすすめ、朝礼Lite

日報に使えるサービス

Chatwork

日報については、専用ツールを使っても、Google workspaceでも何でも構いません。
ただ、注すべき点は新しいツールを導入するときのコストです。
費用はもちろんですが、操作を覚えたり、今まで使っていたツールに加えてさらに新しいツールを使うということは大きなストレスになります。
そこで私たちは、日常的に使っているツールの中から、朝礼に使いやすいものを選ぶことにしました。
Google workspaceなども便利ですが、仮にファイルで管理するとしたら、膨大な量になってしまいます。また過去の日報をアーカイブとして活用する機会はそうないだろうとも考えました。
また、私たちにとって相互理解も重要な目的でしたから、気軽に共有できるツールでなければなりませんでした。
そこで、日常的に使っているチャットツール「Chatwork」で日報を提出することにしました。
チャットというカジュアルなツールですから、投稿やリアクションのハードルは低いと考えました。
実際、Chatworkにはリアクション機能があり、エモーティコンを使ってリアクションすることができます。
万一、過去の日報の内容を振り返りたい場合にはテキスト検索機能もあり、日報としての最低限の機能を満たしていると判断しました。

Chatwork

日報については、様々な機能を搭載した専用ツールもあります。
高機能なので魅力を感じますが、そこまで活用するのか?スタッフにとってストレスにならないか?を考え、目的に立ち返りながらツール選択するのが大事です。
皆さんにとってどんな方法がベストかわかりませんが、導入・運用のハードルが低いものを選ぶのがポイントだと言えます。

日報は上手く活用するとインナー・ブランディングを推進する強力なツールになり得ます。
ただし、継続しなければ意味はなく、継続するためには目的を明確にし、経営陣が腹をくくって関わっていく必要があります。
会社規模にもよりますが、少なくとも日報の推進を担当する人間を設けて、創意工夫しながら継続努力していくことをおすすめします。
時間はかかりますが、毎日の継続とは恐ろしいもので、漢方薬のようにジワジワと効果を発揮していくことでしょう。