Title 新入社員は大歓迎モード全開で!みんなで取り組むオンボーディング

Date 2021.04.20
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オンボーディングって何?

スムーズかつスピーディに「仲間」になってもらうための総力戦

技術の前に、価値観を共有

語源は「船や飛行機に乗っている」という意味の英語「on-board」だそうで、会社という乗り物に新たに加わった社員(乗組員)に対して、組織の価値観や風土、ルール、ワークフローなどにいち早く馴染んでもらい、パフォーマンスを引き出すための教育的な取り組みです。簡単にいうと、受け入れ→定着→戦力化をスムーズにするための、組織としての支援活動ということです。日本では「新人研修」や「OJT」という言葉が一般的で、オンボーディングも似たようなものだと思われがちですが、本来のオンボーディングは、企業理念やビジョンなど核となる価値観、それらに紐づく会社としての仕事の仕方や、チームの人間関係などといった「情報の提供」や「価値観の共有」に重きが置かれています。

いち早く「仲間」になってもらうためのステップ

新卒はもちろん、即戦力と見込んで採用した場合であっても最初からスムーズにパフォーマンスを発揮し、組織内で活躍していくことは簡単ではありません。会社側だって、せっかく時間とお金をかけて採用した新メンバーが、個人の資質とは関係のない理由からつまずき、離職やモチベーション低下に追い込まれてしまっては元も子もありません。オンボーディングは、本人の力だけでなく、上司・同僚を含めた職場の総力戦だと考えてもよいでしょう。取り組みは企業によって様々ですが、早期戦力化のためだけでなく、いち早く「仲間」となってもらうための大事なステップなのですから。

 

ライオンハートでのオンボーディング事例

初日は重要

かつての社員さんから教わった「迎える側としての姿勢」

新卒であれ中途であれ、新入社員さんにとって初出社日は特別な日です。初めての環境、初めての仲間と溶け込めるだろうか、仕事はちゃんと覚えられるだろうか…などなど、文字通りさまざまな不安と期待が入り混じります。新入社員としての新鮮な気持ちを忘れてしまった人も、転校生した時の気持ちや、新たに地域のサークルに入った時、経営者団体などに初めて所属した時の気持ちを思い起こしてみてください。何より、出迎えてくれる人の態度や言動がとても気になったのではないでしょうか。

私たちにとっては毎年あるいは何年かに1度入ってくる「新人さん」。いくつもある通過点のような存在ですが、本人にとっては違います。出社初日に受けた会社の印象が、彼らにとって本当の意味での会社の第一印象です。少なくとも「ここならなんとかやっていけそう」と思ってもらうこと、もっと言うと「ここに就職が決まって本当によかった!大変だけど、がんばるぞ!」と思っていただくことが、会社としては重要です。そのために、ライオンハートでは全社を挙げて歓迎ムードの醸成に力を入れています。

これは、リファラル採用で中途入社してくれたかつての社員さんから学んだことでもあります。社員さんが信頼する、経験豊富で腕のある方だということで、そこに最大の期待をして入社していただきました。即戦力だから初日から何か案件に携わってもらいたいくらいの気持ちで。そうしたことが、長くいる社員に囲まれた唯一の新人であるその人に、どれだけ負担になるか思いも及びませんでした。その人が退職する際「”笑顔創造”と言っておきながら、こんなに人を迎える姿勢がなってないなんて」と伝えてくれました。曰く「いくら経験があったってその会社のフローやルールの中でそれが通用するのかどうかは不安です。それに、こっちは勇気を出して1日目を踏み出してるのに歓迎のムードもないなんて」と。

確かにその通りだと思いました。その当時の私たちは、しばらく採用活動もしておらず、長くいる社員さんたちで成り立っていて、そもそもそこに「新しい人が来る」ということがどういうことなのかの思慮を欠いていました。ライオンハートの理念は「笑顔創造」。行動指針は「尊敬・素直・自責」です。辛い思いをさせて離職させてしまったその人からの学びを素直に受け取り、自責で考え、行動を変えることにしました。迎える側の姿勢の改善です。

その中の一つに、新入社員さんが「気を遣って聞きたくても聞けない」を打破するべく生まれた「社内wiki」があります。会社のあらゆる情報を、社員総出でまとめ上げている、その名の通りのツールです。…が、その話は、また別の機会に。

 

基礎教育

ライオンハートでは、新卒・中途・社員・アルバイト問わず、新しい仲間への基礎教育を行なっています。基礎教育では、会社の理念・指針などといった理念経営企業として最も大切な価値観の部分、仕事に対する考え方やものの見方、ワークフロー、私たちの仕事そのもののことなどをお伝えしています。

理念・指針

初日に必ず、創業者である会長自らが2時間ほどかけて、会社の成り立ちと歴史、理念が生まれたエピソード、行動指針とその意味などをお伝えします。理念と指針については、社長による歓迎面談と執行役員による契約の時間にも各々の言葉を用いてお伝えしています。

LHメソッド

LHメソッドとは、全てのことに目的を問い、目的達成に対して最適な行動を選択する方法論。ライオンハートで活用している思考方法であり、実際の業務ではヒアリングの極意として活用しています。全ての職種において大切な考え方なので、新たな仲間を迎えるごとに例外なくお伝えしています。

事業の本質

会社にとって顧客とは何か?会社の基本機能とは、つまり顧客はサービスや商品を買うことで何を手に入れているのか?といったものの見方をお伝えします。事業の本質として、自社がお客様の何のために存在するのか?を考えることによって、私たちのすべてのお客様の存在意義を見出すことができます。ブランディングはもちろんWebサイトなどのツールのコンテンツ制作においても重要なものの見方です。

ワークフロー

同じような制作会社でも、会社が違えば顧客から買ってもらっているものも違い、仕事への姿勢・考え方や方法、流れも全く違います。ライオンハートでは一般的にどのような流れで仕事を行なっているかをお伝えしていきます。

職種の紹介

私たちの仕事は、デザイナー、コーダー、ディレクター、プランナー、営業とさまざまあります。それぞれの職種の求められる役割は会社によっても違いますので、ライオンハートの中にはどんな職種が存在していて、その職種は何をする仕事なのかをお伝えします。私たちの仕事は全てチームプレーで成り立っているので、自分以外の職種について理解を深め、尊重することが大切だと考えているからです。

 

 

仲間になってもらうための取り組み

社歴、年齢、性別、キャリア、ポジションなどさまざまな垣根を超えてフラットに意見を言い合える関係になっていってもらうために、いろいろな取り組みをしています。これらの取り組みは、社員と会社が成長するごとにアップデートされていますが、ここではその一例をご紹介します。

全員が必ず最低一回はレクチャー

ライオンハートでは、新入社員さんがきたら、社員全員一人ずつに「講義」を担当してもらっています。内容は、前述のワークフローや事業の本質などの基礎教育も含めて、来客対応、電話応対、各職種について、グループ企業のLH&cについて、ライオンハートで使っている各種ツールの使い方についてなど様々です。人数が揃ってきたら、仕事で接することが少なく滅多に会話しない仲間も出てきますので、最初のうちに全員とマンツーマンあるいはそれに近い距離感でコミュニケーションをとってもらうことで、早く仲間になってもらうための工夫です。

また、教える側にとっても「どのように伝えたら新人さんにとって分かりやすいだろう?」と考えながら伝えることになるので、勉強になります。こうして、社員全員が新入社員さんのことを考えて行動することに、オンボーディングの意義があると私たちは考えています。また、会社の中の特定のことを属人化させないという側面もあります。

他にもいろいろ

ニックネーム

私たちは、基本的に下の名前やニックネームで呼び合っています。社長・会長・役員であっても例外なくそうしています。これは、かつての社員さんからの提案を素直に受け入れた結果ですが、その人の前職場で役職や年齢関係なくニックネームで呼び合うことで、互いの関係性がフラットになり忌憚のない意見を言い合うことができる風土だったということからです。最初は気恥ずかしがるメンバーもいましたが、今では新しいメンバーはなんて呼ぶ?と考えあったりしています。

新入社員さんにとって一番最初の仕事は、仲間をニックネームで呼ぶことでもあります。そして、自分も呼ばれ、仲間になっていっていただきます。

朝礼各種と日報

ライオンハートには、朝礼がたくさんあります。毎週月曜日の全体朝礼、毎朝9時からの朝礼Lite、そしてエンジニアやデザイナーなど各チームの朝礼です。

毎週月曜日の朝礼では、全員が持ち回りでスピーカーを担当。社内のあらゆる情報をまとめた社内wikiの中からネタを一つシェアすることと「あなたの話が聞きたい」というお題で、ランダムにメンバーから話を聞くという時間です。毎朝の朝礼Liteでは、前日に全員が書いた日報の中から心に残ったエピソードを自由に話す取り組みをしています。ライオンハートにはリモートスタッフもいるので、毎日こうした小さなコミュニケーションを取ることで孤独を防止しています。また、基本的に「この人のここが素晴らしい」ということに絞って話しているので、全員が朝から気持ち良いスタートを切る機会にもなっています。

各職種の朝礼(および終礼)では、メンバーのタスクの確認や相談事を解決したり、スタイルは自由です。また、これらの朝礼には誰でも参加することができるので、例えば「デザイナーにここのデザインを相談したい」「エンジニアにここはどうしたらいいか聞きたい」といった用件でディレクターが参加することが多々あります。

朝礼・終礼についてご興味のある方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

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私たちには決まった席がありません。日々、その日の気分で仕事をする場所を選べます。その日相談したり話すことが多くなりそうな人とわざと近くに座ってみたり、集中したい時は端の席を選んだり、指導することが多くなりそうな新人さんの近くにチームで座ったり、色々な使い方できます。席は、どこに座っても誰かが何かを話していたら、サッと輪に入れるような距離感です。そうして、誰一人孤独にならないような仕掛けをしています。