弊社は2016年、フィリピンの首都マニラの南東に位置するマカティに子会社LH&creatives Inc.を設立しました。
マカティはフィリピン金融の中心地で、多国籍企業やフィリピン企業が最も集中しているエリアです。
子会社との業務上のやりとりは、チャットやプロジェクト管理ツールなどで行っていますが、直接顔を合わせてコミュニケーションを取る機会は流石にありません。
そこで、子会社のフィリピン人スタッフと直接コミュニケーションをとってもらうため、そしてフィリピンという国について知ってもらうために、弊社では毎年数名の日本人スタッフにフィリピン出張をしてもらっています。
この3年は、コロナによる海外渡航の制限もあって中断せざるを得なくなっていましたが、今夏、2名の日本人スタッフ(1人は私)がフィリピンへ出張することになりました。
今回は、フィリピン人スタッフとコミュニケーションをとる、フィリピンについて知るということ以外にも目的を持っての渡航となりました。
普段、バックオフィス業務(経理・人事・広報)に関わる私は、クリエイティブの業務で彼らと関わることはありません。
そこで、広報として以下の目的を設けることにしました。
フィリピン、LH&cメンバーとのコミュニケーションの様子を発信していく。
次にフィリピンに行くメンバーが安心して渡航できるような発信する。
フィリピンでは、日本の慰安旅行・社員旅行にあたる「カンパニーアウティング」が人気です。
企業側にカンパニーアウティングを行う義務はありませんが、エンゲージメントやリテンションにも関わるイベントなため、年に1回開催する企業が多いです。
時期的には、日本の真夏にあたる5月、カラッとしたドライシーズンに開催し、海や山へでかけたりします。
楽しいことが大好きなフィリピン人にとって、このカンパニーアウティングは一大イベントと言えます。
冬に行われるクリスマスパーティーと同じく、重要視されるものです。(もちろん、企業側にクリスマスパーティーを開催する義務はありませんが…)
日本人スタッフがフィリピンに出張する際には、都心部のマカティ以外のエリアを体験できて、フィリピン人スタッフの素がわかるカンパニーアウティングに参加してもらうことにしています。
今回も、一泊二日のカンパニーアウティングに参加することができました。
カンパニーアウティング中、いくつかゲームをやるのが慣例と聞き、私も彼らとの距離を縮めるために簡単なゲームを用意することにしました。
ところが、私、英語が苦手ですから、ゲームの趣旨やルールについて細かく説明することはできません。
そこで、
・ルールが簡単で誰にでもわかりやすい
・英語での説明が短い
かつ
・フィリピン人スタッフの人間性や考え方が垣間見れる
を満たすゲームとして思いついたのが・・・「究極の二択」!
例えば、「平凡だけど長生きできる人生、短命だけどなんでも手に入る人生、どちらがいい?」みたいな二択質問に答えてもらうというもの。
「なぜその選択肢を選んだの?」といった会話が自然に生まれ、人間性も出ます。
フィリピン法人で私と同じバックオフィス業務を担当している女性スタッフにサポートを頼み、当日は英語とタガログ語で補足説明をしてもらいました。
おかげで私は、事前に準備していた質問を英語で読み上げるだけで済みましたが、こうしてサポートを依頼したことが、現地スタッフとの良いコミュニケーションになりました。
さらに、当日はフィリピン人マネージャーも積極的に協力してくれて、結果、彼らとの距離が一気に縮まりました。
さて・・・
肝心の「究極の二択」どうなったと思います?
ドスベりしたらどうしよう・・・と不安でしたが、蓋を開ければ大成功!
フィリピン人スタッフにとっても、お互いに知らない一面が見られたようで、大いに盛り上がりました。
(アルコールの効果もあったと思いますが…)
初めてフィリピンに行き、フィリピン人スタッフと一緒にカンパニーアウティングに参加してみて感じたことは、「言葉が通じないこと(英語ができないこと)」は大きな問題ではないということ。
もちろん、英語でコミュニケーションが取れるに越したことはありませんが、いつもチャットの画面越しに見ている仲間と「同じ空間にいる」ことにそれ以上の意味を感じました。
人が集まることで生まれるパワーや、同じ空間で一緒に過ごす時間があることで深まっていく関係性を実感しました。
現地でコミュニケーションをとると、彼らのキャラクターや特性、資質が見えてきます。それらを日本人スタッフにも知ってもらいたいと思うようになりました。
そんな私も、実は、渡航するまでフィリピン人スタッフの名前と顔が一致しませんでした・・・
今やすっかり覚えましたし、彼らとフィリピンの魅力を社内外に発信していきたいという気持ちでいっぱいです。
弊社は海外に子会社を持っているため、海外進出を検討している企業から相談されることがあります。
実際、フィリピン法人にも毎年数社から「見学をしたい」「話を聞きたい」とお問い合わせをいただきます。
その際には、現地に居る日本人マネージャーやフィリピンでの法人設立に関わった人間がご対応させていただいていますが、「会社を設立する方法ではなく、現地の文化や慣習を理解し、彼らを尊重しながらマネジメントしていく重要性」についてお話させていただくそうです。
私もフィリピン出張を通じて、現地スタッフと接し、フィリピンという国を体感することができました。そのおかげで、国とそこで生まれ育った人たちを理解する重要性について、今なら良くわかる気がします。