人事ブログ

「なんで?」のはじまりは、ちょっとした興味から。

前回、LAで見つけた無人タクシー「Waymo」に、その場でアプリを入れて乗ってみた話を書きました。

誰もいない運転席。
勝手に動くハンドル。

ただただ「すごい!」とワクワクしながら乗っていたのですが、そのときにふと思ったのが、
「運転する人がいないのに、なんでハンドルがあるんだろう?」ということ。

そして実はこの日、もうひとつ「どうなってるんだろう?」と思う出来事がありました。

無人タクシーが、進めなくなった

私が降車ポイントに指定していた場所が、たまたま進入できない状態になっていました。
当然、無人タクシーも入れません。

「これ、どうするんだろう?」
と思っていると、画面に「解決チームが対応しています」というような案内が表示されました。

解決チーム?

どこかで人が見ているのかな、と思いながら待っていると、現地にいた係の方がカラーコーンを動かして、車が通れる隙間をつくってくれました。
すると、それを認識したのか、Waymoはその隙間からスッと入っていったんです。
その動きが、本当に自然で。
人間の運転手さんが「あ、どうも」って入れてもらっているみたいな感じ(笑)。
さっきまで進めなかったのに、状況が変わったら、それに合わせて動き出す。

帰ってから調べてみると、Waymoには「Fleet Response」と呼ばれる、人がサポートする仕組みがありました。
といっても、人が遠隔で運転しているわけではありません。必要に応じて人が情報やアドバイスを返し、どう走るかを判断して車を動かすのはWaymo Driverです。
「無人」と聞くと、全部を機械だけでやっているように思っていたけれど、少し仕組みを知るだけで、また違って見えてきました。

「なんで?」から、どんどん気になってきた

そして、最初に気になったハンドルのこと。
「運転する人がいないなら、そもそもハンドルっていらないんじゃない?」
そこから考えてみると、他にも気になることが出てきます。

ハンドルがいらないなら、アクセルやブレーキもいらない?
そもそも「運転席」って必要?
そうなると、車の中だって、今と同じである必要はないのかもしれない。

……なんて考えてみたけれど、このあたりは、世の中ではもうとっくに考えられています(笑)。
実際、2023年のJAPAN MOBILITY SHOWでは、ハンドルもペダルもなく、乗る人が向かい合って座る自動運転車も展示されていました。
Waymo自身も、「Firefly」という、ハンドルもペダルもない実験車をつくっていました。

じゃあ、そこまで考えられていたのに、なんで今のWaymoにはハンドルがあるんだろう?

その答えは、前回の記事で少し書きました。
Waymoはその後、量産されている車に自動運転技術を組み込む方向へ。より多くの人に、より早く届けるために、今の形を選んでいました。

でも、改めて考えてみると、ハンドルのない車をつくることができても、ハンドルをなくすこと自体が目的ではないんですよね。
未来として考えられる形と、いまその技術を広げていくための最適な手段は、必ずしも同じではないんだな、と思いました。

そう考えると、今度はもっと根本のところが気になってきました。

そもそも、自動運転って何のため?

「そもそも、自動運転って何のためにあるんだろう?」
Waymoが掲げているのは、単に「人が運転しなくてもいい車をつくること」ではありません。

「世界で最も信頼されるドライバーになること」をミッションに掲げ、より安全で、より多くの人が自由に移動できる未来を目指しています。

そう考えると、自動運転そのものも、その目的を達成するためのひとつの手段なんですよね。

「なんで?」を重ねてみる

ライオンハートの仕事では、「なぜ?」「その目的は?」をとにかく考えたり、お客様にも聞いたりします。

でも、これが意外と難しい。

今回も、最初から「自動運転の目的ってなんだろう?」なんて考えてWaymoに乗ったわけではありません。

最初はただ、
「わー!無人で走ってる!」
「ハンドル勝手に動いてる!」
「すごい!」
でした(笑)。

でも、そこから「なんでハンドルがあるんだろう?」と気になった。
調べてみたら、また次の「なんで?」が出てきた。
そうやってひとつずつ追いかけていたら、「その目的は?」までつながっていきました。

「なぜ?」を重ねていくのに必要なのは、最初から難しいことを考えることではありません。まずは目の前のことに興味を持って、「これって、どうなってるんだろう?」と思うことなのかもしれません。

ひとつの「なんで?」から、また次の「なんで?」が出てくる。
それを面倒がらずに、面白がってみる。

仕事でも、「その目的は?」を忘れずに。
目の前のやり方を当たり前にせず、「その目的を達成するために、今の手段は本当に最適なのか?」と考えられる人でありたいと思います。

参考・引用元
・Waymo「Fleet response: Lending a helpful hand to Waymo’s autonomously driven vehicles」— 人がサポートし、走行の判断はWaymo Driverが行うことについて
https://waymo.com/blog/2024/05/fleet-response/ 

・Honda「Cruise Origin」(JAPAN MOBILITY SHOW 2023)— ハンドルやペダルがなく、乗る人が向かい合って座る自動運転車について
https://global.honda/en/japan-mobility-show/2023/info/Cruise_Origin/ 

・Waymo「From post-it note to prototype: The journey of our Firefly」— Fireflyと、その後の量産車への展開について
https://waymo.com/blog/2017/06/from-post-it-note-to-prototype-journey/ 

・Waymo「About Waymo」— ミッション「世界で最も信頼されるドライバーになること」について
https://waymo.com/about/