役員ブログ

入社後、まだ成果が出ていないとき。私たちが見ている「1ミリの成長」

入社して、数か月。
まだ、自分の名前で語れるような実績はない。任されているのは、細かな作業や、先輩の仕事の一部分ばかり。
周りは忙しそうに働いていて、自分だけが何も成し遂げていないように見える。
そんな時期に気になるのは、たぶん、自分の評価です。
結果が出ていない自分は、会社からどう見られているのか。
そもそも、見てもらえているのか。

ライオンハートでは、結果が出るまでの間に、その人の何を見ているのか。
ある社員の変化から、お話しします。

できるようになったことを、一つずつ数える

入社したばかりのころ、電話応対に慣れず、うまくできない社員がいました。
電話応対の講義は受けています。でも、教わったことを実際の電話でできるようになるには、慣れも必要です。

その社員は、慣れないからといって避けるのではなく、果敢に電話に出て、教わったことを実践し続けました。
今では、当時の自分を振り返り、できるようになったことを自分で話すようにもなっています。

私たちが見ているのは、今、電話応対ができるかどうかだけではありません。
うまくできない時期にも、教わったことを素直にやり続けるかどうか。そこに、少しずつ差が出てきます。
教わったことを実践し続ける姿勢も、自分の変化を振り返れるようになったことも、その人の成長として見ています。

こうした成長を感じるのは、電話応対に限りません。
以前と比べると、まるで別人のようだ。小さな成長が積み重なって、ここまで来たんだな。
社員を見ていて、私は何度もそう感じてきました。日報に、その変化を書くこともあります。

デザイナーとの1 on 1でも、できるようになったことを一緒に数えてきました。
まだできないことや、目標までの距離だけでなく、以前はできなかったけれど、今はできることにも目を向ける。
結果が出るまでの間にも、変わっていることがあります。私たちは、その途中も見ています。

1ミリの成長のイメージ

1ミリを見ることと、結果を求めることは矛盾しません

小さな成長を見るというと、
「結果が出なくても、頑張っていれば評価してもらえる会社なのか」
と思われるかもしれません。
そういうことではありません。
仕事なので、結果は大切です。
お客様から対価をいただいている以上、頑張ったかどうかだけではなく、何を届けられたのか、どんな成果につながったのかを見なければなりません。
ただ、結果だけを見ていても、結果はよくなりません。
売上が足りない。
制作に時間がかかっている。
修正が多い。
お客様から期待した反応が返ってこない。
そうした数字や事実を見て、
「足りていないよね」
「もっと頑張ろう」
と言うだけでは、次の結果は変わりません。
必要なのは、目標に対して、現在地がどこにあるのかを見ること。
そして、その間にあるギャップを埋めるために、行動を変えることです。
電話に出られるようになった。
分からないことを、自分から聞けるようになった。
指摘を受けたとき、言い訳をする前に、一度受け取れるようになった。
仕事を頼まれたら、目的や期限を確認するようになった。
こうした変化は、まだ成果そのものではありません。
けれど、成果が生まれる前に起きる、大切な変化です。
だから、結果だけではなく、結果へ向かう途中も見る。
途中だけを見て満足するのではなく、その変化が、やがてどんな結果につながったのかまで追いかける。
私たちにとって、成長を見ることと、結果を求めることは、反対ではありません。

月に一度、目標と現在地を合わせる

2026年10月、第24期からは、社長が全スタッフと毎月30分の1 on 1を行う形になりました。
育成対象者には技術バディがつき、社長との1 on 1に加えて、月に一度、30分の1 on 1を行います。

会社の状態に合わせて運用は変わりますが、目的は、目標を達成することと、成長すること。
目指している状態や数字に対して、いまどこにいるのか。その間に何が足りないのかを確かめ、次に試す行動を決めます。

たとえば「制作に時間がかかる」なら、「もっと速く」だけで終わらせない。どの作業で時間がかかっているのかを見て、次に何を変えるか、いつやるかまで具体的にする。
翌月には、試した結果を振り返り、続けるか、変えるかを考える。
1 on 1は、目標と現在地を確かめ、次の行動を決めるための時間です。

目標と現在地を合わせるイメージ

新人さんには、人事とも話す時間があります

新人さんには、こうした1 on 1とは別に、月に一度程度を目安に、人事とも話す時間を設けていきます。
面談といっても、堅苦しい査定の時間ではありません。
働き始めて、できるようになったこと。
まだ戸惑っていること。
仕事をする中で、うまく言葉にできずにいること。
これから、どこを伸ばしていきたいか。
そんなことを話しながら、いまの状態を一緒に整理します。
新人さんの成長は、直属の上司や部門だけで見るものではないと思っています。
部門の中では順調に見えていても、本人は大きな不安を抱えているかもしれない。
反対に、本人は「何もできていない」と思っていても、周りから見れば、明らかに変わっていることもあります。
だから、仕事を教える人とは別の人と話す時間もつくっています。
もちろん、面談をすれば、すべてが分かるわけではありません。
こちらが気づけていない変化も、言い出せない悩みもあると思います。
それでも、定期的に立ち止まり、自分がどこまで来たのかを一緒に見る。
何も変わっていないように感じる一か月にも、よく見れば、1ミリの変化があるかもしれません。

素直と、自分で考えることは両立します

ライオンハートの行動指針は、「尊敬・素直・自責」です。
私たちが考える素直とは、教わったことを、まずありがたく受け取り、一度そのままやってみることです。

「分かりました」と答えても、自分なりの解釈を加えて、結局はこれまでと同じ方法でやってしまう。そんなことは、誰にでもあります。
だから、まずは教わった通りにやってみる。やってみたからこそ、その方法の意味や、うまくいかなかったところを考えられる。もっとよい方法があると思えば、仮説を立てて変えていく。

受け取って、実践して、結果を見て考える。
この繰り返しの中で、少しずつ任せられる仕事が増え、自分なりの仕事の仕方ができていくのだと思います。

結果が出るまでの時間も、何もないことにしない

教わったことを覚える。一人でできることを増やす。失敗して、やり直す。
大きな結果がまだ出ていなくても、その間に変わったことはあるはずです。

いまは電話に出ることかもしれない。
一つの指摘を、そのまま受け取ることかもしれない。
分からないと、自分から言えるようになることかもしれない。
その変化を、見逃さない。けれど、そこで満足もせず、その先にある目標まで一緒に追いかける。
それが、ライオンハートの成長の見方です。

面接でも、結果だけでなく、そこに至るまでの話に興味があります。

うまくできなかったとき、どうしたのか。誰かに教わったことを、どう受け取り、その後どう動いたのか。

それだけで、その人のすべてが分かるわけではありません。でも、そんな話の中に、その人がこれまでどう生きてきたのかが、少し見える気がするんです。

電話応対に慣れなくても、逃げずにやってみる。教わったことを続ける。そして、以前の自分を振り返って話せるようになる。私は、そういう変化に、その人らしさを感じます。

だから、まだ大きな結果になっていない話にも、興味があります。何に向き合い、どう考え、何を続けてきたのか。その人を知りたいから、聞いてみたいのです。

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