「想い」を繋ぐ鉄道リユース。大手の物量・価格競争から脱却し、40~50代のノスタルジーに着目したオリジナルシール『守護神電』プロモーション戦略
事例概要
お客様名
株式会社ホンポズ(旧称:鉄道本舗) 様
プロジェクト内容
・10周年特別企画オリジナルキャラクター開発
・48mmシール『鉄道本舗 守護神電』シリーズ企画・デザイン
・プロモーション支援
・販売チャネル(BASE)構築
用途
40代後半~50代の「遺品整理」検討層へのアプローチ、大手の物量キャンペーンに依存しない独自の提供価値と「石川社長」の人格ブランディング
シチュエーション
競合大手の「査定20%UP」やSEO物量戦、マニア層の1点ずつの相見積もりによる価格競争からの脱却、本来目指したかった「部屋丸ごとの一括買取」へのルート開拓
制作期間
企画構想からシリーズ展開まで約1年間(現在も新会社名での第二章を能動的伴走中)
事例の流れ
STEP
01 課題
お客様の課題
大手の物量戦とマニア層の価格競争。15万点超の実績を持つ専門店が直面した「仕入れ」の限界
名鉄西尾線沿いで育ち、音を聞くだけで名鉄電車の形式や両数を当てられるほど圧倒的な「鉄道愛」を持つ石川社長。実家の子ども部屋から古書のせどり事業をスタートし、安売り競争に直面した20代の終わりに「どうせ潰れるなら、大好きな鉄道で勝負しよう」と覚悟を決めて専門店への業態転換を果たし、法人化以降10年以上にわたって買取実績15万点を超える確固たる地位を築いてきました。
しかし、鉄道リユース業界における最大の生命線は「仕入れ(買取)」です。市場にはホビー全般を広く扱う大手買取企業が乱立し、潤沢な広告予算を用いた「査定額20%アップ」などのキャンペーンや、検索エンジンの上位独占、物量戦を仕掛けてきます。また、知識の豊富な鉄道マニア(コレクター)を相手にする場合、「ヤフオクやメルカリの方が少し高く売れる」「他店ではいくらだった」といった1点ずつの徹底的な相見積もりに巻き込まれ、利益を削り合う不毛な価格競争に直面せざるを得ませんでした。
鉄道本舗にとって、本当にアプローチすべきターゲットは「価格差にシビアなアクティブマニア」だけではありませんでした。両親の他界や高齢化に伴い、実家や一部屋の中に大量に取り残された鉄道模型・部品をどう処分していいか途方に暮れている「40代後半~50代の家族(遺品整理・生前整理の検討層)」です。
「大切な人が愛着を持って集めていたコレクションだからこそ、ゴミとして処分したくない。価値を分かり、次に大切にしてくれる人へ想いを繋いでほしい」
そう願う家族に対して、大手のドライな機械査定ではなく、「自分以上に鉄道を愛する石川社長本人が出張買取に伺い、想いごと引き継ぐ」という鉄道本舗の圧倒的な優位性(コア・バリュー)を、認知・選択してもらうための本質的な接点(チャネル)が不足していることが最大の課題でした。
02 LHメソッド戦略策定
現在地や課題を整理(現在地や課題を整理し、ビジョンの実現にコミット)
40~50代のノスタルジーを捉える。グリーンハウス起用による本格的なキャラクター開発
ライオンハートは、鉄道本舗様の創業10周年の節目に「広告運用の予算戦に依存しない、能動的でファンを惹きつけるプロモーション施策」の壁打ち相手として参画しました。
まず、遺品整理や生前整理を現実的に検討し始める「家族の年代」を深掘りした結果、その大半が「40代後半~50代」である点に着目。彼らが小・中学生だった1980年代に広がった、キャラクターシールを集める楽しさや高揚感を、鉄道本舗を知ってもらうための「入り口(架け橋)」として活用する戦略を策定しました。
単に往年のシール表現を模倣するだけでは、目の肥えた40~50代の心を動かし、ブランドとしての価値を高めることはできません。そこでライオンハートは、ロッテ「ビックリマン 悪魔VS天使シリーズ」のキャラクター制作に長年携わる株式会社グリーンハウスへ、オリジナルキャラクターのデザインを正式に依頼。表面的な懐古表現ではなく、確かな制作背景を持つクリエイターとともに世界観を構築する、本物志向の方針を提案しました。
さらに、ただのノベルティ配布に終わらせず、コレクターや一般ユーザーが「集めたくなる、ストーリーのある世界観」を構築。鉄道本舗に集まる、永く大切にされてきた鉄道グッズや模型に宿る「付喪神(つくもがみ)」と、それを温かく守り育んできた三柱の神様。そこに、夢の中で神託を賜り、尽きることのない鉄道愛で付喪神たちの声を聴いて想いを繋ぐ「石川泰蔵社長」本人が守護神電ワールドに顕現する、という独自のストーリーライン『守護神電(しゅごしんでん)』を設計しました。
これにより、かつて愛したシール収集のワクワク感を思い出した40~50代が、楽しみながら「鉄道本舗(ホンポズ)」という名前と、社長の誠実なキャラクターを潜在意識に刷り込まれ、将来の遺品整理の選択フェーズにおいて「あの時集めたシールの会社(石川社長)なら、親の鉄道模型を任せられる」と第一想起される関係性を築く、極めて持続可能かつ強固なブランディングの土台を策定しました。
03 LHソリューション実装支援
課題を解決(LHソリューションで課題を解決)
レジェンドとの共同ディレクション。世界観を包み込み、BASEによる最適な販路を構築
戦略コンセプトを具現化するため、ライオンハートは以下の実装支援を徹底的に行いました。
・ キャラクター企画・グリーンハウス社との連携ディレクション
ライオンハートが『守護神電』のコンセプト設計や各キャラクターのビジュアル設定、裏面シナリオを起草。グリーンハウス社と細かく連携を取りながら、1980年代のコレクションシール文化を知るファンにも響く完成度を備えた4つのオリジナルキャラクター(第一弾:泰天スサノオ、第二弾:神蔵オオイチ、第三弾:本霊ウカ、第四弾:石川泰蔵社長が顕現した「鉄道本舗の石川です!」)を、共同ディレクションによって完成へと導きました。
・ シリーズロゴおよびパッケージ・DTPツールの一気通貫デザイン
キャラクターイラストの圧倒的な存在感を最大限に引き出すため、シール以外の「守護神電」シリーズのタイトルロゴ、販売時にシールを保護・演出するオリジナル台紙(55mm×91mm)、特製PPフィルム、クリアファイル、封入メッセージカードなどのすべてのグラフィックデザインをライオンハート側で一貫して構築。本物としてのコレクション価値を担保しました。
・ BASEを活用したスピーディかつ最適なECショップ構築
今回のプロモーション用グッズを大規模な自社開発コストをかけずに直販できるよう、BASEのプラットフォームを用いた「鉄道本舗 ONLINE SHOP」を開設。決済、配送、手数料設計などのEC実務を最適化し、企画単体で素早く流通を回せる環境を整えました。
04 LHメソッド実行支援
ビジョン達成にコミットし続ける(状況変化に対応)
シール売上だけで「初期費用の全額回収」に大成功。新社名「ホンポズ」へ繋ぐ第2章の伴走
納品後、主に40~50代のターゲット層が最もアクティブに情報収集を行うSNS「X(旧Twitter)」をメインの広報チャネル(PR)に据え、一部TikTok等とも連動して情報発信をスタートしました。
グリーンハウスが手がけたキャラクターの話題性と、独自に構築した世界観のクオリティがSNS上で注目を集め、BASEでの発売開始と同時にコレクターや鉄道ファン、シール愛好家に届きました。2枚セット(銀プリズムと、箔押しを施した特別プリズム)で2,200円という高付加価値な価格設定でありながら、継続的に販売実績を積み重ね、結果として『守護神電』プロジェクトに投資した初期制作費用や宣伝広告費を、シールの販売売上によって回収・黒字化しました。
当初、石川社長自身はキャラクターシールの熱心なコレクターではありませんでした。一方、事業が苦しかった時期に、古本の一括買取に含まれていた関連コレクションが思わぬ価値を生み、会社を支えてくれたという印象深い経験がありました。今回の取り組みを通じて、売上による原資回収に加え、企業の認知やファンとの接点を広げる成果を実感いただき、ライオンハートが提案した「ターゲットを絞った本物志向の接点設計」への信頼につながりました。
この大成功を受け、鉄道本舗は創業11年目を迎えるにあたり「株式会社ホンポズ」へと社名変更。現在ライオンハートは、新会社名の冠キャラクター(ホンポズの公式キャラクター)をさらに追加制作する次なる展開(約200万円の予算を投じ、すでにグリーンハウス社へ新デザインを先行依頼。2026年12月完成に向けて進行中)に能動的に並走しています。
それだけに留まらず、既存シールの在庫をさらに循環させ客単価を上げるための販促施策として、同じ絵柄でありながらセキュリティシールで用いられる「極めて高額で高度なホログラム・レインボー加工」を施した「別バージョン限定シールの開発」や、クリアファイルを無償購入特典として配布する新たなプロモーションの仕掛けを企画。
※「ビックリマン」は株式会社ロッテの商標です。本企画および『守護神電』は、株式会社ロッテとの共同企画・コラボレーション商品ではありません。