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「守り」の製造業から「攻め」の開発企業へ。新会社NKファインの魂と先進性を「ベンゼン環」に宿したCIリブランディングとロゴデザイン設計

事例概要

お客様名

株式会社NKファイン 様(親会社:名古屋化学工業所 様)

プロジェクト内容

新会社「NKファイン」設立に伴うCI・VI開発(ロゴマークデザイン、コーポレートタグライン策定、ステーショナリー・ツール展開、ロゴガイドライン制作)

用途

新会社が目指す「攻め」の姿勢を言語化・ビジュアル化し、採用の場面や新規市場開拓の営業活動における確固たるブランドアイデンティティとして機能させること。

シチュエーション

ポリイミド製造に特化した親会社の「守り」のイメージから脱却し、「能動的な開発提案企業」として新会社を立ち上げるにあたり、社内外にそのビジョンや行動姿勢を示す象徴(シンボル)が不在だったため。

制作期間

約1ヶ月半

STEP

01 課題(現在地)

お客様の課題

グループ会社である名古屋化学工業所様は、塗装事業から始まり、現在では「ポリイミド」と呼ばれる高付加価値な化学製品(液体)の製造を主力事業とされている歴史ある中規模企業です。同社は、試験的な製造に柔軟に応じる技術力と、一定レベルの量産にも対応できる「大手メーカーと小規模会社の中間(ちょうどいいとこ取り)」という強みを持っています。

しかし、ポリイミド製造に特化した既存のグループ会社は、どちらかといえば「ルールを正確に守り抜く」という、堅実かつ保守的な「守り」の体制に特化していました。これに対し、新会社として立ち上げられた「NKファイン」は、新しい化学製品を開発し、能動的に市場へ提案・販売していく役割を担う、極めてチャレンジングな「攻め」の会社です。

この「攻めの企業」を稼働・スケールさせていくにあたり、以下のような本質的な課題に直面していました。

本質的なビジョンと言葉の欠如: 新たな市場を開拓するためには、自発的に行動できる能動的な人材の採用が不可欠でした。しかし、「主体的に提案する会社になりたい」という想いの部分が具体的に言語化・名文化はまだされておらず、スタッフ・採用候補者に示す明確な「理念」が定まっていませんでした。

社内外に示す「象徴」の不在: 新会社のアイデンティティを体現するビジュアル(ロゴマーク)が存在しなかったため、対外的な営業活動の場において「自分たちは何者で、どのような未来を目指すのか」を指し示す強力な営業ツールが不足していました。

「作って終わり」の形骸化したデザインではなく、新会社の魂と進むべき航路を宿した、真のシンボル構築が必要とされていました。

02 LHメソッド戦略策定(理想と戦略)

現在地や課題を整理(現在地や課題を整理し、ビジョンの実現にコミット)

ライオンハートは、NKファイン様が目指すべき理想状態と、現在地にある課題のギャップを埋めるため、「どのような理想的な人材に集まってほしいか」「どのような社会のあり方を提示すべきか」という、言葉の掘り下げから入る「LHメソッド」を適用しました。

新会社が求めるのは、メーカーの設計開発者や調達担当者と真剣に向き合い、新しい価値を自発的に作り出していける「クリエイティブで主体的な人材」です。このようなマインドを持つ人物に深く共鳴してもらうための戦略として、以下のブランドコンセプトと言葉を策定しました。

【新会社を導くタグラインの策定】
Finding the Invisible(見えない価値を発見する)」
後にロゴガイドライン制定時に、さらなる驚きや未知への挑戦を示す「Finding the Wonders」へとブランドを昇華)

このコンセプトには、「まだ市場に言語化されていない潜在的なニーズや、自らまだ見ぬ新しい化学製品を能動的に発見・開発し、世の中に送り出していく楽しさに面白みを感じる仲間を集める」という強い意思が込められています。

親会社が持つ「品質」と「信頼性」という強固な基盤をベースに敷きつつ、新会社の目指す「未知への能動的な挑戦」「柔軟な思考」をどのようにビジュアルへ翻訳していくか、戦略的なデザインの方向性がここで固まりました。

03 LHソリューション実装支援(解決と構築)

課題を解決(LHソリューションで課題を解決)

言語化したコンセプトをベースに、ライオンハートは複数のアプローチからロゴデザインの提案と、ブランド運用を盤石にするソリューションを構築しました。

ロゴマークデザインの構築(決定:A案)
化学・研究開発企業としての堅実さと、未来を切り開く前進力を高度に融合させたデザインを開発。・シンボルマーク(ベンゼン環と未知の融合):
化学構造を象徴する「ベンゼン環(六角形)」と「分子結合」をモチーフに採用。名古屋化学工業所様が培ってきた品質信頼性という確かな基盤を継承しながら、六角形の重なりを分解すると「?」の形が重なる設計に仕上げました。これは、既存の常識に縛られない「柔軟な思考」と、未知の領域に対して多角的な視点で「見えない価値を発見する(Finding the Invisible)」企業姿勢を美しく抽象化しています。
・ロゴタイプ(スピード感と攻めの姿勢):
フォントには「イタリック(斜体)」を採用。これによって、前進する方向性とスピード感を視覚的に付与し、攻めの研究開発・販売企業としてのNKファイン様のスピード感溢れる立ち振る舞いを表現しました。

ステーショナリー・多角的なビジュアル展開(モックアップ)
ロゴが単なる絵に留まらず、実際のビジネスシーンで機能するようモックアップを包括的に設計・提案しました。
・千葉の新設ラボ・工場へのサイン(看板)展開:当時、千葉で建設途中であった新設工場や先端開発ラボの入り口、壁面にロゴがどう配置されるかの検証。派手すぎず、かつ知的なラボ感を漂わせるサイン設計を行いました。
・ビジネスツール展開:名刺、封筒(角2・長3)などの各種ステーショナリー。さらに、新規営業やプレゼンテーションで使用する、ロゴを美しく配したパワーポイントのスライドテンプレートのデザインを提供しました。

ロゴガイドライン(運用ルール)の制定
新会社のブランド資産として一貫したブランドコントロールを維持するため、「ロゴガイドライン」を制作。
カラー指定(CMYKRGBWebカラーの厳格な規定)から、周囲に確保すべきクリアスペース(アイソレーション規定)、背景色に合わせた文字の可読性パターン、禁止事項(変形や色の変更など)を詳細にドキュメント化し、納品後の運用におけるブレを一切排除する体制を整えました。

04 LHメソッド実行支援(成果と伴走)

ビジョン達成にコミットし続ける(状況変化に対応)

1ヶ月半の短期間で一気に進められた本プロジェクトは、新会社のスタートアップ期における「共通言語」として非常に大きな役割を果たしました。

意思決定プロセスにおける変化と合意形成
本プロジェクトは、岡田社長の想いだけで進めるのではなく、NKファインの実質的な責任者となる方や、実際にNKファインを現場で運営していく実行メンバーを巻き込み、議論を重ねていただきました。
言語化されたメソッドからロゴデザイン決定に至るプロセスにおいて、実行メンバー全員が合意形成をしながら決定したため、単なる「デザインの変更」ではなく、「自分たちがこの新会社でどのようなビジョンを描き、能動的に動くべきか」という共通の認識(エンゲージメント)を事前に生み出すことに成功。