「総合建設」の枠組みを飛び越え、未来をデザインする多角化複合体へ。確かな仕事の美学と「余白」を体現したASITAKAのリブランディング。
鉄骨製造・加工から設計・現場施工まで、「鉄骨のことならアシタカへ」と圧倒的な技術力と信用を築き上げてきたアシタカ総建様。売上150億円、そしてその先にある「グレートカンパニー」へのさらなる跳躍に向けて、同社は社名から「総建」の二文字を外して「ASITAKA」へと生まれ変わるリブランディングを決断しました。理想状態や課題だけでなく、芦髙社長の経営感覚や深い仕事哲学、企業の根底に根付くの思想を「LHメソッド」を用いて言語化。新社名変更に伴う企業ロゴの刷新を起点に、オフィス移転のコンセプト構築、短期でのティザーサイト公開、そして今後のブランドブック制作や企業サイト、HR支援まで、未来のステージにふさわしいブランドの解像度を高めるための一気通貫のソリューションを提供しています。
事例概要
お客様名
アシタカ総建株式会社
プロジェクト内容
・CI・リブランディング(社名変更に伴う新ロゴマーク制作、価値観の言語化など)
・新本社オフィスコンセプト構築支援
・ティザーサイト制作
・インナーブランディング:ブランドブック『THE ASITAKA CODE』企画・デザイン(進行中)
・HR支援、企業サイトフルリニューアルなど(進行中)
用途
・総合建設業の枠を越え、多角的なビジネスを展開する複合体としての社会的認知の獲得
・社長が大切にする「真剣に向き合って初めて見えてくる楽しさ」と「仕事に対する誇り」を全社員が共有するカルチャーの醸成
シチュエーション
営業:グループ3社による「垂直統合一貫体制」という最大の強みを伝えられていない状態。
採用:社長の経営哲学や美学が暗黙知となっており、採用時にスタッフが熱量高く説明できるようになりたい。
全般:組織と人の成長に対する物理的スペースの限界(手狭さ)を解決するオフィス移転が必要。
事例の流れ
STEP
01 課題
お客様の課題
「総合建設」の殻を破り、多角化複合体へ —— 組織が直面した進化の壁
① 「総合建設業(総建)」という枠組みの突破と、次なる進化への序章
アシタカ様は「作図・施工」のアシタカ総建、「製造・加工」の水野鉄工、「耐震補強」の岩本組が密接に連携し 、設計から実際の現場施工までを一貫して自社グループ内で完結できる「垂直統合型の一貫体制」を最大の強みとしてきました 。これは、他社が容易に真似できない圧倒的な競争優位性を生む「全部いける」総合力です 。創業当時は施工専門の会社であったため、「将来、総合ですべてやれる会社(総合建設業)になるぞ!」という強い決意を込めて社名に「総建」と冠し 、実際に特定建設業の許可を取得してその目標を達成し、一番の景色を見ました 。
しかし、実際に総合建設としての頂点に立ってみたからこそ、見えてきた景色がありました 。元請け(ゼネコン)としての瑕疵責任や手離れの悪さに縛られ続ける既存のビジネスモデルは、変化を恐れず果敢に挑み続ける自身の「スピード感や経営哲学」とは、どこかベクトルが異なることに気づいたのです 。すでに「鉄(鉄骨)のことなら、アシタカに言っておけ」と東海圏の建設業界で絶対的な信頼を確立した今 、社長は「総建」という過去の成功の言葉に縛られる必要は一切ないと確信していました 。
目指すべきは、総合建設という一つの業界の枠に留まることではありません。強固な鉄の基盤を核にしながらも 、不動産事業、ゴルフ事業、そしてM&Aを通じた未知の領域へと、縦横無尽にビジネスを広げていく「ミステリアスな複合体」へ進化する 。そんな第二章の覚悟を決めるタイミングが、まさに今訪れていました 。
② 「社長の感覚(暗黙知)」と「採用活動」のジレンマ
同社の大きな魅力は、芦髙社長の極めて人間味の濃いリーダーシップと仕事哲学にあります。仕事は人生の時間を多く費やすものだからこそ、徹底的に「楽しむ」べきであり、その楽しさとは楽(らく)をすることではなく「仕事にどれだけ真剣に向き合えるか」の度合いであるという考え。そして、誰も見ていないところでも自分に嘘をつかない「誇れる仕事」をするという徹底した美学を持っています。
また、社長は細かい数字を追う管理会計をやり切ったうえで「性に合わない」と手放し、ディテールをあえて決めすぎない「意図的な余白」を残すことで、社員が自分で考え、自分で動く活気あふれる組織を構築していました。
しかし、これらの素晴らしい価値観はいずれも「言葉にしにくい暗黙知」として社内に留まっていました。そのため、多角化と規模拡大に伴い優秀な「その道のプロ(即戦力)」を必要とする中、採用活動においては、社長自身の個人的な魅力や給与などの条件面を提示するダイレクトリクルーティングが続いており、社長以外のスタッフが求職者へその魅力的なカルチャーを論理的に、かつ同じ熱量で説明する手段が欠けていました。
③ 物理スペースの限界と「植木鉢の交換」
従来のオフィスは、事業拡大と人員の増加に対して物理的な限界(手狭さ)を迎えていました。芦髙社長はこれを「植木鉢の交換」と例えています。現在の植木鉢(環境)では根が張りすぎてこれ以上の成長が止まってしまう。社員がのびのびと枝葉を広げ、次のスケールに向かうためには、より大きな器=新オフィスへの移転とそれに相応しい組織体制の構築が必須の課題となっていました。
02 LHメソッド戦略策定
現在地や課題を整理(現在地や課題を整理し、ビジョンの実現にコミット)
経営哲学を組織の規律へ —— DNAの言語化とグレートカンパニーへの道標
ライオンハートは、代表の芦髙社長、および部長様から詳細なヒアリングを実施。通常の制作会社が行うような機能面の確認にとどまらず、LHメソッドを用いて、企業のDNAである「仕事に対する美学」や「理想とする未来」を徹底して整理・言語化し、以下のリブランディング戦略を策定しました。
① グレートカンパニーをエンゲージメントベースで定義する
社員が「ずっとこの会社にいたい」「この会社で働きたかった」と思える高い給与や、失敗を許容できる財務体質、そして能動的に挑戦できる「余白」をどれだけ充実させられるか、そのために必要な売上規模をグレートカンパニーのKPIと定めました。理念(楽しむしごと、誇れるしごとを)が常に常態化している強い組織づくりへと、リブランディングの戦略を接続しました。
② 感覚を共通の規律(コード)に昇華する「THE ASITAKA CODE」の設計
芦髙社長の持つユニークな仕事観や美学(自分に嘘をつかない誇り、真剣さから見えてくる楽しさ、偶然の会話からでかい話を生むための意図的な余白など)を、組織全体の規律(コード)へと昇華させるため、インナーブランディングの核となるブランドブック『THE ASITAKA CODE』のコンテンツ設計図を構築。感覚を言葉にして組織の財産にすることで、社長面接でなくても求職者の心に深く刺さる採用活動を可能にするインフラ作りの戦略を定めました。
03 LHソリューション実装支援
課題を解決(LHソリューションで課題を解決)
価値観を「実装」する —— ロゴ・オフィス・デジタルを通じたブランド具現化
ライオンハートは、戦略に基づき、ロゴデザインやオフィスのコンセプト設計支援、そして超短期でのWebティザーサイト構築といった、一連のブランド表現を実装しました。
① 内装デザイン会社よるオフィス企画への「DNA(MI:マインドアイデンティティ)の翻訳・共有」
新オフィス「Playground(遊び場)」の企画に先立ち、ライオンハートは裏側で、ヒアリングした社長の哲学(考え方や美学)を言語化し、オフィスデザインを担当する企業へ翻訳して共有しました。
通常の内装会社によるヒアリングは機能面の確認が中心となります。しかし、私たちは移転の目的をやお客様の価値観を言語化、そしてオフィスデザインのキーワードをまとめ、内装デザインの会社へインプット。結果として、アシタカ様のスピリットが細部にまで宿ったオフィスコンセプトの提案となり、初回プレゼンは極めて高い満足度とともに大成功を収めました。
② 確かな技術力と遊び心を両立させた「ブランドロゴ」開発
新しい「ASITAKA」のシンボルマーク・ブランドロゴを構築。
・ASITAKAマインド(A):どのような事業をするときも変わらない「A」の文字の落とし込み。
・旗(FLAG)と道(ROAD):グレートカンパニーへ向かって挑戦を続ける姿と、理想状態へのマイルストーンを平行四辺形で表現。マークの間のスペースは、到達方法をガチガチに固定しない「余白」を意味し、様々な道や可能性の広がりを示します。
・山(MOUNTAIN)と矛盾の同居:目指すべきNo.1の景色(山)を表現しつつ、エッジの効いた尖った形状の中に、意図的に「R(曲線)」を加えることで、精密さと力強さ、そして楽しむ姿勢が共存するASITAKA独自の美学を表現しました。
このロゴ提案は、役員だけでなく多くの社員、グループ会社の間でも大いに盛り上がり、高い熱量で承認され、ステーショナリーや名刺等の各種VIに一貫して展開されていきます。
③ 採用イベントに間に合わせる「ティザーサイト」の公開
新しいロゴが決まりオフィスの建設と内装デザインも進行する中、採用活動に際して「古いWebサイトのままだと求職者への第一印象がマイナスに働くのでは」という不安と相談をいただきました。フルスペックのコーポレートサイトリニューアルには、多角化したグループ全体の情報設計など長い時間がかかりますが、目の前の採用イベントは刻一刻と近づいていました。
そこでライオンハートは、即時性(1ヶ月以内の納品)とイメージ刷新を両立させるため、まずはASITAKAの第二章の幕開けやロゴに込めた想いを強力に示す「ティザーサイト(https://www.asitaka.jp/ )」の先行公開を提案。圧倒的なスピード感と高いクオリティで立ち上げを完了。
04 LHソリューション実行支援(成果と伴走)
ビジョン達成にコミットし続ける(状況変化に対応)
採用領域から深化する伴走支援
ライオンハートは「作って終わり」のクリエイティブ会社ではありません。ロゴやティザーサイトの公開を無事に終えましたが、ASITAKA様の未来に向けたパートナーシップは、経営の心臓部である「HR(人事・採用)領域」の本格的な伴走支援へと進化しています。
当次期、同社は新卒採用に予算と時間を投じながらも、思うような成果が出ず、実務担当者が「目隠しでマラソンを走っているようなもどかしさ」を抱えていました。そこでライオンハートは、客観的な立場から既存の採用エージェントの動きを徹底的に検証し、セカンドオピニオンを突きつける泥臭い交通整理を敢行。
さらに、採用を自社で内製化するためのパートナーとして、採用実務代行のプロや高卒採用支援に強い企業といった新たな手札を巻き込み、中核であるアシタカ総建の採用動線と1年間のロードマップをゼロベースで再設計しました。
現在は、ティザーサイトの次のフェーズである「企業コーポレートサイトの本リニューアル」や、「ブランドブック『THE ASHITAKA CODE』の制作」が同時進行しています。単なるツールの提供を超え、兼務で奮闘する採用チームのメンバーが「自らの言葉で会社の魅力を語り、心を入れたくなる状態」になるまで、私たちは疑似社員の覚悟で長く、深く伴走し続けます